逃避する脳、自分の記憶は正しくない
今朝、電子レンジの扉を開けたら、
中にジャガイモがありました。
「だれ? ここにジャガイモいれっぱなしにしたのは?」
と、叫ぶと、家族は口々に「おれじゃないぞ」と言います。
そういえば、一昨日前、多めに茹でたはずのジャガイモが冷蔵庫から消えて、
「あれ、ジャガイモは? だれか全部食べたの?」と言った記憶が...。
どうやら、温めようとして、電子レンジに入れたのは私のようなのですが、
全然記憶がありません。
はい。物忘れ、ひどくなってます。
とくに同時にいくつものことをやると、何か忘れてしまいがちです。
そういえば、年をとるにしたがって脳の作業テーブルが小さくなる、
と、どこかで聞いたことがあります。
天板が小さくなっていくから、たくさんの記憶は乗せておけない。
だから、古い記憶から順番にテーブルから落ちていってしまう、と。
私はどちらかというと、記憶力がいいほうでした(と、私は思っている)。
私が細かいことをよく覚えているので、以前勤めていた会社でも、
「あの打ち合わせって、あの後だれが何て言って終わったんだっけ?」と
上司に聞かれたりしていました。
だから、私はいまだに自分はなかなか忘れないと思っているのかもしれません。
ジャガイモを電子レンジに入れたのは、私ではないと思い込んでいるのです。
ところが、『勝負脳の鍛え方』の著者、林成之さんによると、
人間の脳はそもそも忘れる仕組みになっているというのです。
しかも、脳は、自己保存の本能を持っていて、
面白くないもの、難しいもの、苦しいものは避ける行動に出る。
そのために、自分に都合のよい方向に解釈して、記憶してしまう、と。
つまり、絶対に自分が正しいということは、あり得ないというのです。
自分の記憶は正しいから、これで間違いないはず。と、思い込んで、
確かめなかったりすること、あります。
仕事でこれをやると、
「あー、あの時、きちんと確かめておけばよかった」と
後悔することになりがちです。
自分の記憶は正しくない。
はじめからそう思っていれば、確認も手間に感じないかもしれません。
作業テーブルも小さくなってるし、そもそも忘れるものなら、
私はこれからしっかり「確認」しようと思います。
電子レンジの中に何かを見つけても、
いきなり誰かを責めたりしないように。