音が苦(おんがく)
これまでメルマガを読んでくださった方の中には
阿部って何者だ、と思われた方がいらっしゃるかもしれません。
突然ですが、簡単に自己紹介します。
私は、グラスルーツで企画制作の仕事をしていましたが、出産のために退社。
現在、横浜で9歳と5歳の男児の子育てをしています。
今年の5月から、時短でまたお手伝いさせていただくことになりました。
このメルマガでは、主に子育ての中で「あ、」と思ったことを
書かせていただいています。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、タイトルの「音が苦」の話です。
実家にあるピアノの周りを整理していたら、
子どもの頃に使ったピアノの教本が出てきました。
何気なく開いてみると、先生が書き入れた赤字がびっしり。
そこに、「音が苦」という文字を見つけました。
鉛筆が折れたのではないかと思うほど、力を入れて書いたような字。
「おんがく」と丁寧にフリガナもあります。
その教本を使っていたのは、たぶん4年生くらいだったと思います。
先生は、よっぽど私のことが嫌いだったのか、
私があまり練習していかないので、いつもイライラしていたのか、
とにかくいつも怒っていました。
もちろん、当時の私もその先生のことが大嫌い。ピアノもまもなく辞めました。
今思うと、私にピアノの才能はまったくありませんでしたが、
ピアノ自体は好きだったので、もし先生が違っていたら、
もっと楽しく続けられたかもな、なんて思います(そうでもないか)。
一方、先生との出会いがきっかけで、
オリンピックでメダルを獲得する選手になった人もいます。
バルセロナオリンピックで銀、
アトランタで銅メダルを獲得したマラソンの有森裕子さんです。
子どもの頃の有森さんは、周囲から「だめだな」と言われ続け、
何にも自信が持てない子どもだったそうです。
そんな有森さんには、大好きな先生がいました。
その先生だけは、「がんばってるね」といつも有森さんを褒めてくれたそうです。
有森さんは先生のそばにいたくて、それまでいた手芸クラブから、
先生が顧問をしていた陸上クラブに移り、
先生に褒められたい一心で、一生懸命走ったそうです。
大人になると、影響を与える立場になることのほうが多いと思います。
自分が何気なく発したひと言が、その人のやる気を根こそぎ摘み取ってしまったり、
逆に、暗かった表情を輝かせたりしているのです。
それが、その人の人生を決めてしまうひと言だったりする。
こわいですね。
うちは今、子どもが二人とも夏休み中。しかも一人は水疱瘡。
朝から兄弟喧嘩をしております。
怒鳴る前に、考えます。その言葉を言っていいかどうか。