紙鉄砲を鳴らすと、うまくなるものは?
「縄跳びの縄を床に打ちつける」。「紙鉄砲を鳴らす」。
この二つの動作には、ある運動(動作)を上手にするための、
大切なコツが含まれています。
紙鉄砲ってご存知でしょうか。新聞紙を大きな三角形に折ったもので、
三角形の端っこを持って、上から振り下ろすと、バンッという音が鳴るのです。
さて、何の運動のためにこれらをするのか、おわかりですか?
正解は、ボールを投げるため、です。
上記の二つの動作に共通するのは「腕を伸ばして振り下ろすこと」です。
この動作がないと、縄は床にうまく打ち付けられないし、紙鉄砲は鳴らない。
逆に言うと、縄が床にびしっと当たるようになり、
紙鉄砲が気持ちのいい音を立てるようになると、
自然と腕が伸びている。これが、ボールをうまく投げるコツなのです。
『かけっこが速くなる!逆上がりができる!』という本で、このことを知った時、
私は「なるほど!」と感心し、すぐに紙鉄砲を作って、鳴らしてみました。
こんなタイトルの本ですから、もちろん子どもたちのために買ったのですが、
いろいろな運動のコツが楽しく、わかりやすく書かれているので、
私も試したくなったのです。
私は、兄妹は弟、いとこはほとんど男、
近所のお友達もほとんど男という環境で育ちました。
遊びと言えば、野球。野球で必要な動きは、投げる、打つ、受ける、です。
私は受けることと打つことは好きだったのですが、投げるのはどうも苦手でした。
うまく投げられる時と、そうでない時の差が激しい。
うまく投げられない時は、体に力が入っていることがわかってはいたのですが、
どこをどうやったら改善されるのかわからないまま大人になってしまいました。
だから、「紙鉄砲を鳴らす」こととボールを投げることは一緒だと知って、
びっくり。
でも、もっとびっくりしたのは、私は子どもの頃すでに「腕を伸ばすこと」が
コツだということを知っていたかもしれない、と思ったこと。
そういえば、父に言われたような気が...。
つまり、腕を伸ばせばボールが上手く投げられると知っていたのに、
どういうことか理解できなかったということなんです。
それが、「紙鉄砲を鳴らす」と言われると、「オッケー、わかった!」と思えた。
『かけっこが速くなる!逆上がりができる!』には、
「どんな子でも必ずできる。運動音痴なんていない」と書かれています。
教えるコツは、一つの動きを10通りの言い方で説明すること、なんだそうです。
なぜなら、どんな動きを頭で理解することがまず必要で、
理解の仕方は人それぞれだから。
その通りだなあ、と思いました。
たぶん、運動神経が抜群の人たちは、だれにもヒントをもらわなくても、
うまい人を見ただけでコツがわかり、それをすぐにマネできるのかもしれません。
でも、そうでない私のような人は、ヒントをもらってもピンと来ないこともある。
ところが、別のヒントをもらうと、すんなり入ることがあるということなんです。
だから、一つのヒントでできなくても、それが苦手ということではないんですね。
これ、運動に限らないですよね。
あ、そこで気づいたことがあります。
何をする時も、うまくいかないと「あきらめるな!頑張れ」と言ったり、
言われたりしますよね。
これ、今までは精神論だと思っていたのですが、
この本を読んで、違うなと思ったんです。
あきらめるなってことは、別のヒントを見つけてみようってことなんです。
そう考えると、前向きな気持ちになりますよね。
ところで、私、ボールが上手く投げられるようになったと思いますか?
なんと、地域のスポーツフェスティバルで、
少年野球のコーチに「お、うまい!」と言われたんですっ!
あー、嬉しかった!!!