「やめればいいんですか?」
「いつか君の出番が来る」
うちの小野は、中学時代、先生にこう言われたのだそうです。
私、そんな心に残るような言葉をかけられたことがありません。
忘れているだけじゃないの? と、小野は言いますが、
いやいや、心に響いたなら、そう簡単に忘れるわけはない。
いいなあ。羨ましい。
DeNAの中畑監督が来季も続投することになりましたね。
クライマックスシリーズ出場を逃した責任をとって、
一度は辞めると言った中畑さんが続投を決めたきっかけは、一通の手紙でした。
辞意を表明した後、高校生くらいの男の子から、
便せん8枚にも及ぶ長い手紙が届いたのだそうです。
手紙のほとんどが中畑監督のことを褒めちぎる内容だったらしいのですが、
最後に「責任の取り方って、やめればいいんですか?」と、書かれていたそうです。
「読みながら涙が出た」と、中畑さんはインタビューで言っていました。
この手紙以外にも、慰留を求める声はたくさんあったようですが、
心を動かしたのは、やはりこの手紙の力だったようです。
言葉が一人の人間の人生を変えるって、すごいですよね。
言葉といえば、震災直後、立教新座高校の渡辺校長が、
卒業式ができなかった3年生に送った言葉を読まれた方も多いと思います。
一部紹介します。
いかなる困難に出会おうとも、自己を直視すること以外に道はない。
いかに悲しみの涙の淵に沈もうとも、それを直視することの他に我々にすべはない。
海を見つめ、大海に出よ。嵐にたけり狂っていても海に出よ。
真っ正直に生きよ。くそまじめな男になれ。一途な男になれ。貧しさを恐れるな。
男たちよ。船出の時が来たのだ。思い出に沈殿するな。未来に向かえ。
別れのカウントダウンが始まった。
忘れようとしても忘れえぬであろう大震災の時のこの卒業の時を忘れるな。
もっと読みたい方はこちらへ
http://niiza.rikkyo.ac.jp/news/2011/03/8549/
ネットでこのメッセージを目にした時、とても感動しました。
この年の卒業生は、このメッセージを忘れないでしょう。
もちろん、日常生活の中で毎日思い出すことはないでしょうけれど...。
でも、これから困難に直面した時、必ず思い出すだろうと思います。
そして、大人になるまで、何度も思い出すでしょう。
そう思うと、言葉の力って本当に大きい。
ああ、キーボードを打つ手が震えてくるなあ。