「見た目」の力
どこか外国に旅行するわけでも、すぐに必要となるわけでもないのですが、
いつも「英語の勉強しなくちゃなあ」と、思ってはいます。
それで、たまに、TED(www.ted.com/talks)で
興味のあるプレゼンを聞いてみたりしています。
いやあ、皆さん、プレゼン上手ですよね(結局、あまり英語を聞いていない)。
声のトーンの変え方、間のとり方、ジェスチャー。
しっかりコントロールしてますよね。
だいぶ前の話になりますが、東京オリンピック招致のプレゼンも、
すばらしかったですね。
私は、いつもこうして文字で何かをお伝えしているわけですが、
文字で伝える場合、声のトーンを変えたり、
間をとったり、ジェスチャーを加えたりできないので、
なかなか抑揚がつけづらく、読者の感心をぐっと掴むのは難しい。
と、思っていました。
でも最近、そうでもないかもな、と思ったのです。
「見た目」の力、つまり視覚の力がある。と、気づいたのです。
文字で「もっと伝えたい」と思うと、どんどん文字が増えていく。
これ、通常起こることだと思います。
でも、もっと伝えたいなら、
文字はあまり増やさないほうがいいのでは、と思います。
パッと見て、すぐにわかる、視覚的な誌面のほうが伝わると思うのです。
文字を写真で補えるなら、写真を使う。
文字を図やグラフで補えるなら、図やグラフを使う。
写真も図も難しいなら、文字の大きさを変えたり、スペースを空けてみたり。
そういう「見た目」を調整することで、
プレゼンで声のトーンを変えたり、間をとったりすることと
同じ効果が生み出せるのでは、と思ったのです。
「難しい。そんなテクニックはありません」という方もいらっしゃると思います。
でも、たとえば社内報だと、デザイナーさんがいてもいなくても、
制作する側にそういう考え方があるだけで、
仕上がりが違ってくるのでは、と思います。
そして、そこに言葉の力が加わると、さらに伝わる力が強くなると思うのです。
英国ロイヤルバレエ団で長年プリンシパルとして活躍し、
現在はフリーで踊っている吉田都さんというバレエダンサーがいます。
吉田さんは、音楽と踊りのタイミングがぴったり合っているダンサーで、
たとえば、シンバルがジャーンと鳴るタイミングで、
見事にビシッと足が上がります。
そんな彼女が、インタビューで言っていました。
「踊りと音楽が完ぺきに融合した時、ものすごいパワーが生み出される」。
文字と「見た目」が融合した時のパワー、ぜひお試しください。