ブレない力
先日、3年ほど前の『カンブリア宮殿』という番組に
元サッカー日本代表監督の岡田武史さんが出ていた時のやりとりを
あるサイトで読みました。
「勝負の神様は細部に宿る」
岡田さんは、選手にいつもそう伝えてきたのだそうです。
「たとえば、たった1メートル手前で力を抜いたために、
運を掴み損ねて、ワールドカップに行けないかもしれない。
勝負を分けるのは、戦術論やシステム論も大事だが、
8割くらいは小さいことだと思う」
岡田さんは、たとえば練習の時、「ここからここまでダッシュ」と言ったら、
ほんの少し前でも、速度を落としてはいけない。
そういう細かなことを全員がしっかりやることが大事なんだ、と言っています。
毎日、自分たちがやるべきことを、しっかりやる。手を抜かずに、しっかりやる。
そういうことが大切なんだ、ってことなんですよね。
と、ここで思い出したのが、イチロー選手の言葉。
「小さなことを積み重ねることが、
とんでもないところに行くただひとつの道だと思う」
そうなんだと思います。その通りだと思います。
でも、これ、簡単じゃないですよね。本当に難しい。
すぐに成果が見えない、というのが難しい理由だと思います。
小さなことを積み重ねて、とんでもないところに行くには、時間がかかる。
その積み重ねの間は、周りが気づくような大きな変化はないので
積み重ねる本人も、「これでいいのだろうか」と不安になるし、
周りで見守る人たちも、「ちゃんとやってるの?」と言いたくなる。
でも、「ブレない」ことが大切なんですよね。
本人も周りの人たちも、信じて進む。
実は私、もっぱら子育てでブレないことの難しさを味わっています。
難しいです。でも、我慢して、我慢して、進むことが必要なんですよね。
先日、サッカー日本代表が、オランダとの親善試合に引き分け、
数日後のベルギー戦では、3対2と勝利しましたね。
これまで、しばらく結果を出せなかったザッケローニ監督に対し、
国内ではかなり批判がありました。
監督を解任しろ、という声も少なくなかったと思います。
選手もたたかれていました。
そんな中、負けた試合の直後のインタビューで本田選手が言っていました。
「ここでたたかれて、ぶれるようなことがあるのは一番ダメだ。
今は、ワールドカップ用に大きなものを披露しようと組み立てている段階。
アジア杯で優勝したようなサッカーをワールドカップでするつもりはない」
ブレずに、信じて進む。
その先に見える光はとてつもなく明るいんだろうなあと思いました。