負けても相手を褒められますか?
前から気になっていることがあるのです。
それは、スポーツの試合で海外のチームと日本のチームが戦った末に
日本が勝利した場合、海外のチームの選手や監督が日本を褒めることです。
彼らは負けたのに、です。
「残念だけど、日本はとてもよいチームだった。
今日は彼らの方がレベルが上だったよ」
先日のサッカーの国際親善試合でも、
相手チームの選手がこうコメントしていました。
一方、日本のチームが負けた場合、よく耳にするコメントはこんな感じです。
「結果が出なくて残念だ。今の自分たちのレベルでは勝つことはできない」
もし、日本の選手が、
相手チームを誉め称えるコメントを試合直後に口にしていたら、
「そんなのんきなことを言っているから、負けるんだ」
と、周囲にたたかれるのではないでしょうか。
以前、ウルグアイを相手に4失点して敗戦した試合の後、ザッケローニ監督が
「ウルグアイはよいチームだと思っていたが、今晩もとてもいいプレーをした」
「当然、対戦相手が自分たちよりもよいプレーをした時は、
それを認めることも大事だと思う」
と、話していましたが、「4失点もしたのに何なんだ」という
批判的な内容のコメントも寄せられていました。
私は、スポーツ教育やコーチングには詳しくないので、
これは私個人の感想なのですが、
最初に相手を褒めても、最初に自分たちのプレーを悔やんでも、
敗戦したチームがすることは、順番が違うだけで、
結局、同じなのではないかと思うのです。
まず相手を褒めるチームの場合
「相手が自分たちよりも優れていたところを見る」
→「自分たちのプレーを振り返る」
→「自分たちができていなかったことをクリアにする」
→「課題を明らかにする」
まず自分たちのプレーを悔やむチームの場合
「自分たちのプレーを振り返る」
→「自分たちができていなかったことをクリアにする」
→「相手が自分たちよりも優れていたところを見る」
→「課題を明らかにする」
どうでしょう。違いますかねー。
どうせ同じ振り返りをするのなら、
「俺たちはまだまだダメなんだ」
というマイナスな気持ちから振り返りに入るよりも、
「悔しいけど相手はすごかった。何がすごかったんだ」
というプラスな気持ちから振り返りをスタートさせるほうが、
前向きに行けそうな気がします。
それに何より、負けても相手を褒めるって、とても気持ちがいいですよね。