どう書きますか? 読書感想文
「今、国語の時間は読書感想文を書いているんだけど、すごく難しいみたい」
ご近所の小学生のお母さんからそう聞きました。
はい。うちの子どもも同学年なので、同じことをやっていると思うのですが、
こういうことはすべてご近所さんが教えてくれます。
それはさておき、読書感想文。
そのお宅の子どもは、とにかく本が大好きな女の子で、
本がぎっしり入った大きなバッグを抱えて歩いている姿をよく目にします。
毎週、図書館からまとめて借りているのだそうです。
聞くと、週に10冊以上も読むと言います。
でも、感想文に関しては「どうしていいのかわからない」と言うのだそうです。
ああ、そうでした。私も本が大好きな子どもでしたが、
読書感想文を書くのが嫌いでした。そして苦手でした。
当時はよくわかりませんでしたが、
今思い返してみると嫌いだった理由がわかります。
私は、本を読んでいる時に自分の頭の中に広がる世界を、
読書感想文を書くという理由で、いじくり回すのが嫌だったのだと思うのです。
なぜなら、学校で習う読書感想文は、だいたいパターンが決まっていて、
テンプレートに当てはめないといけない。
もしかしたら、当てはめなくてもよかったのかもしれませんが、
当時は、そうしなくちゃいけないと思っていました。
私の頭の中には、すばらしい世界が広がっているのに、
それをテンプレートに当てはめると、すばらしさが薄れる。何か違う。
「もっとおもしろい世界なのに」と思うけれど、それを表現する方法がわからない。
それと、もう一つ。感想文って、だれに向けて書いているのかわからない。
だれに書いているのか。これは文章を書く上ではとても大事ですよね。
と、今は思いますが、当時はそんなことを考えている自分が
ちょっと変なような気もしていました。
結果、書けない。
起承転結。4部構成。方法がわかると書きやすいので大事なのですが、
4部構成にすることがゴールなのではない、
感想が伝わることが大切なんだ、ということを
学校は教えてくれればいいのになあ、と思います。
あと、私のように、読み手を想定したほうが書きやすい子もいるはずです。
だったら、「お母さんに向けて書いてみよう」なんて言ってくれればいいのに。
学校では○をもらえないかもしれませんが、
私は、本を読んで嬉しい気持ちになったなら、どんなふうに、どれだけ嬉しいのか、
どこで嬉しく感じたのかをたくさん書けばいいのではないかと思います。
感想文なんですから、嬉しい気持ちを読み手に伝えられればいいのではないかなあ。
もしかしたら、原稿用紙上に、たくさん「嬉しい」が書き込まれた時点で、
整理する意味で、構成という考えが入ってくるのかもしれません。
あれ? これ、企画書なんかでも同じかもしれませんね。