荒れた学級を救ったものとは?
「受験のシーズンで皆ストレスがたまっているから
校内でケンカが多い、って息子が言っていて。
でも、そういう時期だから、学校は放っておいているんだって」。
ご近所さんに聞いた話です。
中3のお子さんが通っている学校は、決して荒れた学校ではありません。
なのに頻繁にケンカがある? 理由はストレス? 学校は気に留めない?
正直、驚きました。
菊池省三さんという小学校の先生がいます。
ここ20数年で、学級崩壊したクラスを次々と立て直してきた方で、
その活動はNHKの『プロフェッショナル』でも取り上げられました。
菊池先生が大切にしているのが「言葉の力」です。
「人間は言葉をもとに思考していくのだから、
言葉が育てば心が育つ、人が育つ」
「荒れているのは、自分に自信がないから。
自信がないから、友達を傷つけたり、教師に反抗的な態度をとったりする。
自信をつけさせるために必要なのは、新しい制度などではなく、言葉だ」
先生は、こうした考えから「言葉のシャワー」と
「成長ノート」という取り組みを行っています。
「言葉のシャワー」とは、生徒一人ひとりが日替わりで
クラス全員から褒め言葉のシャワーを浴びるというもの。
クラス全員から一言ずつ褒められるのですから、
30個以上の褒め言葉をもらうわけです。
「成長ノート」は、生徒一人ひとりが書く日記のようなものです。
生徒は、その日学校で感じたことや日々の生活で感じたことを
毎日ノートに書いて先生に提出。
先生は、放課後や休日を使って、一人ひとりに丁寧に返事を書きます。
こうしてたくさんの言葉をやりとりしていると、
生徒たちが、「変わりたい」、「成長したい」と感じている
タイミングがわかる、と菊池先生は言います。
それを察知した時に背中を押すと、
子どもたちは一気に伸びて行くのだそうです。
「言葉が育てば心が育つ、人が育つ」。
言葉の力で、荒れたクラスを次々とやる気集団に変えてきた
菊池先生の取り組みは本当に素晴らしいと思います。
職場でも、家庭でも、どんな集団でも、
言葉の力をもっと信じる必要があるなあ、と感じました。
スゴいぞ! 言葉の力。