レッドカーペットの舞台裏
少し前になりますが、米アカデミー賞が発表されましたね。
私は昔からアカデミー賞の放送を観るのが大好きです。
どの作品が受賞するか、だれが受賞するかももちろん気になるのですが、
レッドカーペットのファッション観察もかなり楽しみにしています。
「すごい!さすが似合ってる!」
「あれ? ドレスはすごく似合っているのに、
どうしてそのヘアスタイルにしちゃったかなあ」
家族から冷たい目で見られながら、
自分のことは棚に上げまくってブツブツ言っています。
レッドカーペットのファッション観察がおもしろいのは、
その裏に見え隠れするビジネスシーンに
想像をめぐらせることができるからでもあります。
数年前、レッドカーペットの舞台裏を描いた
ドキュメンタリーがテレビで放送されていました。
女優さんたちが身につけているドレスやジュエリーは
各ブランドが無償で貸し出しているそうです。
それは、レッドカーペットがファッションショーとは
比べものにならないくらい宣伝効果の高い場所だから。
ブランド側は、少しでも多くのアイテムを身につけてもらえるよう、
豪華なおもてなしやプレゼント攻勢を行うのだそうです。
そこに投じられる額は、年間数十億円規模とか。
熾烈な戦いが繰り広げられる様子が想像できます。
女優さんがレッドカーペットでポーズをきめるまでには、
ファッションデザイナー、スタイリスト、ヘアデザイナー、
メーキャップアーティストなど、
思いつくだけで、結構な役割の人が仕事をしなくてはなりません。
映画『プラダを着た悪魔』で描かれたような、
激しいぶつかり合いがありそうです。
今年、最優秀女優賞に輝いたケイト・ブランシェットが
レッドカーペットで完ぺきなポーズをきめているのを見て、
私は、勝手にあることを想像しました。
それは、彼女の周りにいるスタッフが
全員プロフェッショナル度の高い、
完ぺきな仕事をしたのではないか、ということです。
ファッションデザイナーもスタイリストも、ヘアデザイナーも
メーキャップアーティストも、
それぞれが「これが最高だ」と思えることをやり、
決して妥協せず、最後まで自分の意見を通す。
そして、他の役割に当たるスタッフの仕事を信じる。
そんなことが行われた結果が、
あの日のケイト・ブランシェットの姿なのではないでしょうか。
それぞれが「これが最高」ということをやっても、
バラバラな方向にならないのは、
たぶん、全員が「レッドカーペットというチャンスをものにする!」
という同じゴールを持っていたからなのではないかと想像します。
もしかしたら、私が
「あー、ドレスは似合ってるのに、
なんでそのヘアスタイルにしちゃったかなあ」と
思ってしまった女優さんの場合、
スタッフのだれかが意見のぶつけ合いに疲れて、
もういいや、と思ってしまったのかもしれません。
どこか一つがイマイチだと、結局ドレスもイマイチに見えて、
女優さんのオーラも何だか薄れて見える。
彼らは、レッドカーペットのチャンスを思ったようには
生かせなかったかもしれません。
ファッション業界。
みんなが意地を張り合っているようなイメージです(勝手な想像)。
そんな世界で、自分が「これが最高」と思ったことを最後までやり通すには
高い能力と確固たる自信が必要だろうと思います。
ぶつかり合いながらも、それぞれが自信を持って最後まで戦い、
全員で成功するって、ものすごく気持ちが良さそうです。
そんな経験、してみたいものだなあと思います。
さ、夢見心地で想像の世界に浸るのはこのくらいにして、
今週もスタートです!