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気合いが足りないと続けられない?

「意思力を使わずに自分を動かす」
「がんばらなくても、体が勝手に動き出す」
そんな言葉に惹かれて、ネットで本を一冊購入しました。
本のタイトルは『やってのける』。
コロンビア大学の心理学博士ハルバーソン女史による、
目標を達成するための方法論が書かれた本です。
「やってのける」のが苦手だと自覚している私は、
「意思力を使わない? うっそだー」と疑いつつも、
購入ボタンを押してしまいました。


この本を読むまで、私は、私が「やってのけられない」理由は、
やる気や気合いが足りないことが大きい、と思っていました。
でも、どうやらそれが理由ではないようなのです。
というのも、人間の意識は驚くほどわずかな情報しか扱えないらしいのです。
やる気は意識、気合いも意識だと解釈すると、
意識だけでいろいろなことにトライしようと思っても、
すぐに限界がきてしまう、ということになります。
これに対し、無意識の処理能力は巨大なんだそうです。
つまり、やってのけるには、この「無意識」をうまく利用するほうが
いいということなのです。


この本には、無意識を利用するためのアプローチが
いくつか書かれているのですが、
私が「なるほどー」と思ったのは、計画の作成方法についてです。
まず、どんな目標であっても、達成のための計画には、
次の4つが必要なのだそうです。


それは、「何を」、「いつ」、「どこで」、「どのように」。
たとえば、目標が「ダイエットすること」だとしたら、
立てるべき計画は、「朝、走る」ではなく、
「土曜日の朝7時から、公園の周りを10週走る」
というように、具体的にしなくてはなりません。
こうすることで、脳の中で「状況や手がかり」がそれに続く「行動」と
強く結びつくのだそうです。


つまり、脳が勝手にそうなってくれるということは、
無意識の力を使いやすいということです。
具体的な計画は必要だとは思っていましたが、
それが無意識とそんなに関係しているとは知りませんでした。


計画には、障害物への対処法を含むことも重要なのだそうです。
目標に対して、あらかじめ障害物となり得そうなことを書き出し、
それが起こった時の対処法も具体的に計画することが必要らしいのです。
たとえば、「ダイエットする」という目標に対し、
障害となりそうなことが「友達からランチに誘われる」だったとしたら、
具体的な対処法は「友達からランチの誘いがあったら、
『今日は○○の予定があるので』と言って、誘いを断る」というふうに。
こうすると、脳内でやはり条件と行動が結びついて、
無意識が働きやすくなるので、誘惑と戦わなくても済むことになります。


なるほどー。
障害物のことなんて、計画段階で考えたことがありませんでした。
やっぱり私、楽観的なんだな、と改めて思いました。
この本、自分の思考タイプや、普段自分が何を重要視して暮らしているか、
どんな目標を立てがちなのか、などを知るためのテストも掲載されていて、
興味深く読めました。自分の取り扱い説明書を読み直したような気分です。


ふう。それにしても、無意識を働かせるって、 やっぱりそんなに簡単じゃないですね。
ええと、まず計画でしょ。それで、ええと...。

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