ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ

ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

コミュニケーション問題解決に「効率」はない

「技術よりも前に、人間性だ。意識を変えなくてはならない」


昨年、関東大学サッカーリーグ1部で
19年ぶり26度目の優勝を果たした早稲田大学ア式蹴球部。
監督を務める古賀聡さんは、監督就任当初、そう感じたそうです。


早稲田大学ア式蹴球部は「優れた人間性」で知られるチーム。
ですが、古賀さんが就任した当時は、グラウンドにのあちこちに
ゴミが散乱していても、だれも拾わないような集団だったそうです。
練習や試合観戦の遅刻も当たり前のようになっていたと言います。


この状況を変えなければ、選手としての成長する場にはならない。
そう感じた古賀監督が始めたのが、監督自らによるゴミ拾い。
「ゴミを拾え」と部員に言うのではなく、
自ら拾うことにしたのだそうです。


1年間、監督は練習前のグラウンドを回り、ゴミを拾いました。
しかしその間、監督と一緒にゴミ拾いをしようという部員は一人も出てきませんでした。


その頃、監督が行ったことがもう一つありました。
それは"WASEDA THE 1ST"というスローガンを掲げ直したこと。
歴代の先輩たちが大切にしてきた
「プレーヤーとして、チームとして、なにより人としてつねに1番であれ」
という意味を持つスローガンにもう一度注目させたそうです。


すると、1年間ゴミを拾うことのなかった部員の中から、
上級生を中心に理解を示す者が出始め、監督と一緒にゴミを拾い始めたと言います。
上級生が拾うと、下級生も続く。
そのうち、通りすがりに町のゴミも拾うようになり、
大雪が降った時には町の人たちの雪かきを手伝う部員も出てきたそうです。


ここで私が思い出したのが、以前目にしたコミュニケーションの資料。
そこには、朝の挨拶をしない職場のメンバーに対して、
自分から1年間挨拶を働きかけた人の例とともに、
変化のフェーズが説明されていました。その段階はなんと7つ。


フェーズ1 こちらが挨拶したことに気づく(返事は期待しない)

フェーズ2 こちらが継続して挨拶していることに気づく(返事は期待しない)

フェーズ3 継続して挨拶が行われていることに違和感を抱く(返事は期待しない)

フェーズ4 だれかが挨拶を返す状態を横目で見始める

フェーズ5 挨拶をするかしないかの葛藤が個人のレベルで始まる

フェーズ6 挨拶をする人が増えてくる

フェーズ7 全員が挨拶する人の状態が安定してくる


以上の変化フェーズのうち、目に見えるのはフェーズ6から。
フェーズ5までは個人の内面の変化です。
この例では、挨拶をし続けた人はフェーズ6に入るまでに1年かけています。
個人の内面の変化にはとても時間がかかるということなのですね。


変化を起こす人は、効率ではなく効果を見る、と資料にはありました。
あきらめず、シンプルなことを繰り返し働きかけるのがポイントとのこと。


人が変わるためには時間がかかる。
でも、時間をかければ組織は変わることができる。
変化には粘り強さが必要だなと改めて思いました。

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ