イチローが言ってたよ!
先日、中学校の先生からこんなことを聞きました。
「最近の子どもたちは、思ったことをすぐに口に出す。何でも聞いてくる」
あ、うちの子どもたちだけじゃないんだ、と思いました。
たとえば怒られている時。
私が子どもの頃は、
(相手が怒っているんだから、ここはお説教が終わるまで黙っておこう)
などと思って、訳がわからなくても聞いているふりをしたりしていましたが、
彼らはそんなことはしません。
「じゃ、○○なときはどうするの?」
「でもさ、それはわかったんだけど、○○はだめなの?」
「○○なときだってあるじゃん」
屁理屈を言うな!と言いたくなりますが、屁理屈でもなかったりします。
ただ、やはり、この場はまず相手の話を聞いておこう、という考えがない。
幼稚園児か!と突っ込みたくなることもありますが、
あきらめて徹底的に疑問に答えていくしかありません。
元ヤクルトスワローズの古田敦也さんが
マネジメントを語っているインタビュー記事にこんなことが書いてありました。
「最近の若い子は、インターネットなどで知識を得ているので、
『この練習に意味があるんですか?』
『ダルビッシュはこう言ってますが?』
なんて平気で聞いてくる。自分の意見があるんですよ。
そんな彼らに、『とにかく走っとけ』と言っても、なかなか理解されません。
ただ、いったん納得すると本当に一生懸命努力します」
なるほどなあ、と思いました。しっかり納得したいんですね。
うちの小中学生も、野球選手もそうなのですから、
若い世代に共通する現象なのだと思いました。
それにしても、指導者は大変です。
一人ひとり個性が違うのですから、納得させるのは簡単ではありません。
古田さんは、相手がどのような考えを持っていて、
どんな人に憧れているのかをおさえておくことが大事だと言っています。
そうすると、相手に刺さるアドバイスができるのだそうです。
そのために、彼らのフィールドに下りて、
コミュニケーションをとることを心掛けていたと言います。
「ヤクルトには娯楽室にゲーム専用のテレビがあったんです。
当時はサッカーゲームが流行っていたんですが、そこで選手と一緒にプレイしました。
すると、マウンドでは『はい』しか言わない選手が、
『おらおら、逃げんのか?』とか言ってくる。
びっくりして、『俺に言ってるの?』と聞きたくなったりしますけど(笑)」
ゲームをしながら、野球の話をし、
相手の考えを聞くのは、大変効果があったそうです。
こうして相手の思考を知り、こいつにはイチローだなと思う選手には
「イチローが言ってたよ」と言うと、
途端に素直になって言うことを聞いてくれることも多かったとか。
古田が言っている、、、で、納得してほしいところですよね。監督は大変です。
スポーツの現場に限らず、
今の指導者は相手にしっかり納得して動いてもらうために、
相当努力しなくちゃいけないようです。
でも、考えてみると、わかったふりをしてとりあえず動く人より、
納得するまでに時間はかかるけれども、いったん納得すると、
一生懸命努力してくれる人のほうが頼りがいがありますね。
よーし、今週もがんばりましょう!