意見はクレーム?
少し前のことになりますが、
中学生のSNSに関するアンケートを見ていて、
「イカン」と頭を抱えました。
「学校の自分は本当の自分ではない」
「学校で面と向かっていろんなことは言えないけど、SNSなら言える」
フェイスtoフェイスのリアルな対話がどんどんできなくなっていく。
これは困ったことです。
SNSのせいだ、と言いたいところですが、そうでもないなと思いました。
SNSがなかった私たちの世代もやはり、意見を交わすこと、
意見が飛び交う場にいること自体が嫌だと感じる人が多いな、
と思った出来事があったのです。
数年前の小学校の懇談会のこと。
その頃、クラスの男子数名がちょっとした「悪ふざけ」をして、
そのことが話題にのぼりました。
私はその内容から「悪ふざけ」と解釈していましたが、
先生が「いじめ」と言ってしまったことで、
事が大きくなっている感じはありました。
実は、うちの子は、立場的にはその悪ふざけの被害者だったのですが、
報告を受けたときに本人も笑っていたし、
関わった子どもたちも全員知っている子だったので、
私は「あ、こりゃ、おふざけが過ぎたな」と思っていました。
ただ、少々危ないことだったので、
そのことについてはしっかり家で叱りました。
さて、懇談会。
先生は新任の先生で、
「いじめ」が起こった、とパニックになっているようだったので、
私はそのことについて思っていることを言いました。
うちはやられたほうだけれどもいじめではないこと、
おふざけが過ぎちゃったこと、
でも危ないから叱ったこと、
学校でも危ないこといついては注意していただきたいこと。
実はその頃、クラスに落ち着きがなくて、
あちらこちらでいたずらが起こっているということも聞いていました。
低学年なので、
クラスがもっと楽しくなるようなしかけをするのもよいのでは?
という提案もしました。
上の子のクラスは、
給食のときに誕生日の子のところに牛乳で乾杯しに行っていて、
盛り上がってますよ、と。
出来事に関わったお母さんたちも同じような意見で、
クラスを良くするためのほかの意見も出ました。
先生も緊張がとれて笑顔になって、
「いい懇談会でしたね」ということで終わりました。
ところが後日、
ほかのクラスの保護者からこんなことを言われました。
「1組の懇談会、荒れたんだって?」
「めちゃくちゃクレームしていた保護者がいたんだって?」
聞けば聞くほど私のことなので、
「あ、それ私だ。でも意見はしたけど、全然クレームしてないし、
いい懇談会だったと思ったけど(笑)」
そのお母さんは言いました。
「しかし、よく発言するよねー。私、懇談会で発言したことないよ」
確かに、あの懇談会はちょっと長かった。
さっさと終わらせて帰りたかった保護者にとっては、
迷惑であっただろうなとは思うのですが、、、。
でも、子どものクラスを良くしようという話し合いだったのになあ、
と思いました。
それにしても、最近、
意見=クレーム
議論=けんか
にすぐに置き換えられちゃうな、と様々な場所で思います。
なるべく波風立てずに、平和に済ませたい、、、
ということだとは思うのですが、
それじゃ何も言えなくなるし、言いたい気持ちも失せるし、
そのうち言いたいことすらなくなって、
感情もよくわからなくなるような気もしてきます。
感情がなくていいなら、ロボットでよくなっちゃう!
と思ったら、Pepperがもう感情を持っているらしいですね。
人間、がんばらなくちゃ!