それ、遺伝子のせいかも
「日本人は不安を感じやすい」なんて言われることがあります。
「挑戦が苦手だ」という言い方をされることもありますね。
私は漠然と、それは教育的なことや環境的なものが影響していると思っていました。
でも、脳科学的に見ると、
「日本人は『遺伝的』に不安を感じやすく、挑戦が苦手」だというのです。
脳内物質を運ぶ「遺伝子」の数に違いがあるからなのだそうです。
幸せホルモンとも言われ、
うつや不眠症とも関係が深いとされる脳内物質「セロトニン」。
セロトニンは、大脳皮質に作用して脳を最適な覚醒状態にしてくれたり、
心のバランスを整えてポジティブで安定した状態に保ったり、
自律神経のバランスを整えるなどの働きを持っています。
つまり、セロトニンの分泌量が少ないと、心が不安定になったりするわけです。
このセロトニンを運ぶのがセロトニントランスポーターと呼ばれる遺伝子です。
この数を決定する遺伝子の組み合わせは、
LL型、LS型、SS型
という3種類の組み合わせで、
それぞれ以下のような特徴を持っているといいます。
LL型...セロトニンが分泌されやすい
LS型...LL型とSS型の中間のセロトニンが分泌される
SS型...セロトニンが分泌されにくい
で、1996年に『サイエンス』に掲載された研究結果によると、
日本人は各型の割合がこうなっています。
日本人
LL型...3%
LS型...32%
SS型...65%
ちなみにアメリカ人はこう。
アメリカ人
LL型...32%
LS型...49%
SS型...19%
こうして数字で見ると、びっくりですね。
日本にSS型が多いのは、日本は自然災害が多い国だからだという話もあります。
不安を感じるとその不安に備えて準備するわけで、準備してきた人たちが残ってきたということですね。
なるほどなあと思いました。
「遺伝子のせい」と言われると、
もうどうしようもないという気がしてきます。
しょうがない。
でも、気づきました。
遺伝子のせい、と思えば、対策を立てる際にポジティブになれるということに。
「不安で、新しいことに挑戦できなかったのは自分が悪い」
と自分を責めていると、なかなか前に進めませんが、
遺伝子のせいならすっきり切り替えて、対策を立てられそうです。
そう考える私は、たぶんLL型3%に入っているかも、と思うぐらいの楽観的な人間です。
「不安を感じにくい=準備しない」で、
数々の「やっちゃった」を経験してきました。
あ、でもこれ、遺伝子のせいならしょうがないですよね!