新しくて、古いから、新しい!
アカデミー賞の発表がいよいよ本日です。
今年は、過去最多の13部門で
14ノミネートされている『ラ・ラ・ランド』が、最有力だとされています。
『ラ・ラ・ランド』は、
ロサンゼルスで夢を追いかける1組の男女の恋愛を描いた
ミュージカルムービーです。
ここまで話題になっているのは、
新しさと古さが絶妙なバランスで盛り込まれているからだとも言われています。
最近のミュージカル映画とは異なり、
曲、ダンス、ストーリーはオリジナルで新しい。
でも、映画全体に流れているのは、
誰もが感じたことのある、懐かしさ。
それが全体的には「新しい」と感じさせるのです。
監督したデイミアン・チャゼルさんは、
『シェルブールの雨傘』のような色彩感覚、
『雨に唄えば』などのハリウッド黄金期の
ミュージカルナンバーにインスパイアされたとのこと。
学生時代にこの映画を思いつきましたが、
当時は「商業的ではない」という理由でお金が出ず、
映画化までに10年以上の年月を要したそうです。
「新しさと古さが混じり合って、新しい」という話、
そういえば、どこかで聞いたことがある。
思い出したのが、脳科学者の中野信子さんが、
著書『あなたの脳のしつけ方』で、
アイデア力がある人、ない人の違いについて言っていたことです。
「人間が本当に欲しいものや、生きる上で本当に必要なものは、
時代を経てもそれほど大きくは変わらない。
だから、今必要なアイデアも、必ず過去の誰かが思いついている。
大事なことは、そういった過去のアイデアなり解決法を、
目の前の問題と結びつけてアレンジすること」
「クリエイティブと言われる人のほとんどは、
意識的、無意識的にかかわらず、過去のアイデアを蓄積し、
それを目の前の事例にうまく当てはめることで、
クリエイティブな発想を生み出している」
中野さんは、アイデアは思いつくものではなく、
過去から拾ってきて応用するもの、
だから新しいアイデアが思いつかないと嘆くのではなく、
そんな時は歴史を精査してみればいいと言っているのです。
確かにそうかもしれませんね。
「いいこと考えた!」と思いつくことって、
大体何かにインスパイアされています。
それが現在のこととうまくアレンジされると、
「いいアイデア!新しい!」となる。
『ラ・ラ・ランド』は、そこが絶妙な配合なのでしょうね。
なんて言っておりますが、
実は私、曲は聞き込んでおりますが、映画のほうはこれから。
早速、今週観ます!楽しみです!