竜の戦士になんてなれっこない?
どうやらパソコンで映画が観られるらしい。
そう知った次男が先日、 私のパソコンを覗き込みながら、
『カンフーパンダ』が観たいと言いました。
2008年に公開された、
ドリームワークスによる長編アニメーションです。
どれどれと、私も一緒に観ましたが、
この映画、教えが多い、とてもいい映画でした。
今回はちょっとそのお話をしたいと思います。
ストーリーは
「怪物が牢獄を逃げ出して、この谷に向かってくる」
という導師の予言から始まります。
導師は谷で一番の賢者です。
早速、村では怪物と戦う「竜の戦士」選びが始まります。
どんなに強い戦士が選ばれるのかと思いきや、
導師が指さした先に立っていたのは、
ずんぐりむっくりのジャイアントパンダでした。
このパンダ、カンフーへの憧れが人一倍強く、
知識はオタク級。でも経験はゼロ。
おまけに、いつもふざけていて、
かなりのおっちょこちょい。
そして食べるのが大好きときています。
その様子に、竜の戦士に期待していただれもが困惑してしまいます。
まもなく導師の弟子である老師が、
パンダの修行を試みましたが、
想像通り、初級の訓練もこなせません。
修行が進むにつれ、始めは竜の戦士に選ばれたことを喜んでいたパンダも、
次第に自信を失っていきました。
そうこうしているうちに、
本当に怪物が牢獄を逃げ出し、
谷に向かってきます。
慌てる老師に、導師はこう言います。
「怪物が向かってきているとは悪い知らせです。
君が竜の戦士を信じないならば」
「あのパンダは竜の戦士ではありません!怪物は倒せません!」
そう訴える老師に導師は続けます。
「このままでは君もあのパンダも運命を全うできません。きっと倒せます。
君が心から導いて、育ててやって、信じてやれば。ただ、ただ信じるのです」
考え直した老師は、
翌日からパンダの修行を再開します。
ほかのマスターたちとは違う、
食べるのが大好きなパンダに合った修行を。パンダを信じて。
いい話ですねえ。
この後、パンダがどうなったかについては、
だいたい想像できるかと思いますが、
気になる方はぜひ映画でチェックしてください。
さて、この映画を見終わって感じたことは、
「信じ合っていない関係は何も生み出さない。
でも、信じ合っている関係が生み出すパワーは大きい」
ということ。
「教える側が心から信じてあげないと、相手も自信を持つことができない」
ということです。
パンダの台詞に、
「今さらできると言われてもできっこないよ。
今まで一度も僕のことを信用しなかったじゃないか!」
というものがありました。
パンダを信じると決めた老師が修行を再開しようとしたときのことです。
そりゃ、そうですよね。
今まで自分のことを疑っていて、
ため息ばかりついていた人の言葉なんて、
耳に入らないというより、
耳に入れたくないと思ってしまうでしょう。
こういうこと、職場でも家庭でも、よく起こっているのだと思います。
改めて、信じることって難しいけれど、本当に大切だと思いました。
ああ、耳が痛い。
来週は4月です。
桜の季節、新たな出会いがありそうですね。