それ、「決めつけ」かも
「人のこと考えられないの?」
反抗期ど真ん中の息子に言われ、
「それはこっちの台詞じゃ!」
と内心カッとなりながらも、
ここで戦うと面倒くさいことになることがわかっているので、スルー。
その日の夜、
「今日もあの子は訳がわからんことを言ってたなあ」などと、
一日を振り返りながら、
「ん?」と思いました。
「人のことを考えているか?」と聞かれたら、
もちろんイエスと答えるのですが、
「長男のことを考えているか?」と言われると、
ノーだと思ったのです。
小学校高学年から徐々に始まった反抗期。
中学に入って、どーんとレベルアップし、
朝も夜も怒りをこらえる日々なのですが、
こちらも慣れてきて、「スルー力」が格段にアップしています。
気づきました!
私、長男の発言をほとんどスルーしているのです。
意図的なこともありますが、ほとんどは無意識です。
たぶん、ここ数年で、私の思考が
「あの子は毎日文句ばかり
→頭に来る!
→まともに取り合ってもまったく解決しない。
さらにわがままが激しくなり、暴言を吐かれる
→スルーしよう」
となっていることが原因だと思います。
思い返すと、何か相談したいときもあったでしょう。
でも、長男に声をかけられた瞬間、
「わ、また文句言われる。面倒くさい」と思ってしまうので、
自動的にスルーモードに入ってしまうのです。
これはイカンですよね。
こうなってしまったのは、私の中で
「この子は反抗期でわがままばかり言う」
と決めつけてしまったからだと思います。
だからそういうふうにしか見なくなっている。
たぶん彼から見ると、ほとんど話を聞いてくれない母、
になっていると思います。反省です。
こうした、
「決めつけてしまったことで、
ニュートラルに話が聞いたり、対応したりできなくなる」こと、
いろんな場で起こるのだと思います。
たとえば、上司と部下の関係だったら、
「何度言っても、なかなか改善されない。だいたい考えていない」
と思っていて、いつもダメな部下扱いをしている上司と、
「こちらの事情も知らないで、
いつもダメ出しばかりしてくる。スルーしよう」
と思っている部下。
親子だったら、
「この子は、話をちゃんと聞かないんだから!」と思っていて、
「聞いてんの?」が口癖の母親と、
「あー、また怒ってる。終わるまで聞いてるフリしよう」
と思っている子ども。
どちらも、このままだといいことないですよね。。。
これを改善するには、
やはり「決めつけ」を取り払うことだな、と思いました。
ただ、決めつける原因があるわけだから、
そう簡単には取り払えないですね。
そんなときに役立つ、いい方法見つけました。
『人の気持ちがわかる人、わからない人 ~アドラー流8つの感情整理術』
の著者、和気香子さんが言っている
3つの視点で人の気持ちを理解するというやり方。
3つの視点とは、
「自分視点」
「相手視点」
「俯瞰視点」
です。
たとえば、私と長男のやりとりで考えると、
自分視点 「ああ、反抗期の文句が始まった。事態を悪化させないようにスルーしよう」
相手視点 「文句を言っているわけじゃないのに、全然こっちのことわかってくれない」
俯瞰視点 「なんだかかみ合っていない親子だなあ」
という感じでしょうか。
自分と相手、そこに俯瞰が加わることで、
かなり落ち着いて考えられるのではないかと思いました。
これ、いろいろな場で使ってみます!
それにしても、コミュニケーションって難しいですよね。
でも、気づきがあると、すごく楽になるし、前向きに捉えられる。
やはり人と関わることは楽しいです。