「和」で強くなる
テレビのトーク番組に体操の白井選手が出ていました。
ひねり王子で知られる白井選手、
そのたくましい姿から、タフで男らしい性格なのかと思いきや、
周囲からは「女子力が高すぎる」と言われているのだとか。
スマホで仲間の写真を撮ったら、
きれいにアルバムにして渡してあげるのが楽しみで、
リオ五輪の団体で優勝したときも、
「これでみんなのアルバムが作れる!」
と嬉しくなっちゃったのだそうです。
争い事や競争が嫌いなのは、子どもの頃から。
ドッヂボールでは、相手にぶつけたくないため、
最後までボールをかわし続けたとか。
ケンカもしたことがないと語っていました。
気が強いとか、だれにも負けたくないとか、
そういう気持ちが強い人が勝負に勝つというイメージがありますが、
白井選手の場合は、争いたくない、
だれも傷つけたくないという「和」の気持ちが、
結果として自分自身を強くしたのでしょうか。
強くなるきっかけや方法はいろいろだなと思いました。
「和」で競争に勝っている例がほかにもあります。
ファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営するスタートトゥデイです。
スタートトゥデイは、雇用形態が「和」です。
従業員の基本給とボーナスは一律、違うのは役職給だけという制度です。
その理由を社長である前澤友作氏は雑誌のインタビューでこう語っています。
「どうやったらほかの社員を出し抜けるか、
上司に気に入られるかなどと考える社員が増えるほど、
会社はつまらなくなるし、業績も上がらなくなる。
それならばいっそのこと給料一律で社内競争を排することで、
社員にはお客をどう喜ばせるかを考えることに時間を使ってほしい」
結果はというと、アパレル不況が叫ばれる中、
同社の業績は上場以来10期連続の増収増益。
2017年3月期の営業利益は262億円で、
三越伊勢丹ホールディングスの239億円を抜いています。
ちなみに前澤氏、「東京は競争心が強い人が多くて嫌い」だそうで、
本社は地元千葉。建設中の自宅も千葉だそうです。
おもしろいですね。
他人を押しのけて前へ、前へ出ないと競争に勝てないわけではない。
むしろ、戦わないことで、勝つ方法もあるということですよね。
ここで思い浮かぶのが、先日、
ハリルホジッチ監督解任で話題になったサッカー日本代表。
サッカーの世界は、自分をアピールし、
ガツガツ前に出ないと競争に勝っていけないと言われているわけですが、
そのガツガツ度合いが、
たとえばアルゼンチンなどの南米のチームと同程度になるとは思えないなあ、
と個人的に思います。
なので、どうでしょう。
日本代表は、「和」のサッカーを目指すというのは。
監督をどうするかよりも、
そんな独自のスタイルを時間をかけて築いたらよいのではないかと、
素人ながら勝手に思いました。
うまくスタイルができ上がれば、そのうち、
日本のサッカースタイルには「禅」があるね、なんて言われて、
Jリーグに入りたい外国人が増えるかもしれません。
どんなサッカーなのか、まったくわからずに勝手に書いておりますが、
楽しい妄想がどんどん膨らんでくるため、
そろそろ終わりにしたいと思います。