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腹をくくって、決断する

「チームとすれば本意ではないですけど、勝ち上がる中での戦略。
こういう形も成長していく中での一つの選択だと思います」


こう語ったのは、現在ロシアで行われているサッカーW杯で、
2大会ぶりに日本代表のグループリーグ突破を決めた西野監督。


本意ではないとしたのは、
28日に行われたポーランドとの試合で、
試合時間10分を残しながら、攻めることをやめ、
パスを回し続けたことについてです。


当然、これにはスタジアムの観客も大ブーイング。
私もテレビの前で「!!」となりました。


西野監督は、同時間に別会場で進行していた
同グループのセネガルvsコロンビア戦で、
コロンビアがリードしたとことを確認。
別会場がこのままのスコアで終わり、
日本もこれ以上失点しなければ、
グループリーグを突破できると読み、賭けに出たのです。
そして試合は監督の読み通りに終了。
日本は決勝トーナメントに進出します。


次に進めたとはいえ、やはり私は、
パスを回し続けて時間稼ぎをするサッカーを観るのは苦痛でした。
「おーい! 一生懸命戦えー!」と、
小声で(深夜ですから)叫んでしまいました。
でも同時に、
「へぇ、そんな大胆なことする監督だったんだ」と思ったことも事実です。


日本サッカー協会の相談役である川淵氏も
「西野監督は勝負師。もし裏目に出たら一生、批判を浴び続けることになる。
その覚悟を持っての決断。腹が座っている」
と評価しているようですし、
この日、出番のなかった本田選手も
「西野監督はすごい。僕が監督でもこの采配はできなかった」
と語っています。


今回のW杯は、監督も含め、
日本代表への期待はあまり大きくなかったと思います。
大会前に監督が交代していますし、直前の親善試合でも負けています。
大会前に西野監督が発表したメンバーも無難な選択という印象。
正直、盛り上がりに欠けるなと思っていました。


ところが、大会が始まってみると、
西野監督の采配は無難ではありませんでした。
メンバーの起用もそうですが、
ミスが続いていたキーパーの川島選手を外すのではなく、
次の試合でゲームキャプテンにするというのも驚きました。
そして、その采配が当たっているのです。


チームがうまくいっていると選手の表情も変わります。
インタビューを見ると、よりイキイキしているし、
自信を持っているように見えます。
西野監督は、モチベーターと戦略家としてのバランスが
すごくいいのかもしれないなあと思いました。


日本代表を2度指揮し、
現在はFC今治のオーナー経営者の岡田武史氏は、
強い組織をつくるためのリーダーに求められることについて、
こう語っています。


「自信を持って決断する。そのためには腹をくくること」


情報収集をして、最後は直感。
悩み、考え抜くけれど、
最後は自分の直感を信じて従うしかないと岡田氏。


「監督も経営者も孤独な仕事。
だからこそ、ある種の開き直りが必要。
高い志を持って、
リスクを犯しながらも必死に働くリーダーの後ろ姿を見て、
人はついてくる」
と話しています。


大ブーイングを起こした西野ジャパンのパス回しですが、
西野監督の強い決断がさらに選手をひきつけたのかもしれません。
「次は臆することなく戦う」と語る西野ジャパン、
強い組織のまま、進め、ニッポン!

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