ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーです

ブログ

ディレクターの阿部が日々の気づきをつぶやくコーナーアベログ

地球は丸いし、草は青い

ニュース番組で、全米オープン優勝で大注目の大坂なおみ選手と
サーシャ・バインコーチのやりとりが取り上げられていました。


自分のプレーに納得がいかずに
膨れっ面でベンチに腰掛けている大坂選手に向かって
「大丈夫、君はできるよ」と声をかけるバインコーチ。
「全然、ダメ。できない」と落ち込む大坂選手。
しっかり目を見つめながら
「みんなわかっているよ。君はできるよ」と、またコーチ。
うつむいたまま首を横に振る大坂選手。
というようなやりとりだったと思います。


昭和の熱血スポーツ指導者なら、
「そんなにやる気がないなら、帰れ!」
などと言ってしまう場面なのかもしれません。
しかし、バインコーチは彼女がどんなにネガティブに反応しようと
落ち着いたトーンで声かけを続けていました。
これを見たとき、コーチの力は本当に大きいなあと感じました。


バインコーチはインタビューでこんなことも言っていました。
「彼女は完璧主義で、自分自身に厳しすぎるところがあるから、
僕は真逆でいなければならない。だから、
『大丈夫。地球は丸くて、草は青いさ、すべてうまくいく』
って言うんだ」


こうして徹底的にリラックスさせ、
ムードメーカーとして励まし続けた結果が全米オープン優勝です。
相手をしっかり理解した上で支えることの大切さ、
言葉の力を改めて感じます。


ペップトークと言われる、米国生まれの「励ます技術」があります。
もともとは、スポーツの試合前などのシチュエーションで、
コーチが選手に向かってかける激励のコーチング話術ですが、
現在は教育現場や子育て、企業の育成の場面でも使われているようです。


ペップトークには4つのステップがあるといいます。
 (1) 受容(事実の受け入れ)
 (2) 承認(捉え方変換)
 (3) 行動(してほしい変換)
 (4) 激励(背中の一押し)

受容は「相手の感情や状況を受け入れて、共感すること」。
たとえば、心配そうな顔をしている人に向かって
「心配してるの?もっと元気を出そう」と言うのではなく、
「心配なんだよね。誰でもそうなると思うよ」と言うこと。


承認は「状況をポジティブに捉え直すこと」。
たとえば、先ほどの心配している人には続けて
「心配なのは、本気で取り組んでいる証拠だよ」と言うこと。


行動は、受容と承認でポジティブにリーディングした後、
まさに「今してほしいアクションを伝える」ステップ。
そのときに大切なことはやはりポジティブな言葉です。
たとえば、「焦らないでね。ミスをしないようにね」ではなく、
「思いきってやってきて。楽しんできて」と言うこと。


激励は、「心に火をつけ、奮い立たせること」。
「大丈夫。君はできる」「思いきって暴れてこい」などの激励系のほか、
「みんなで応援しているよ」「ゴールで待っているよ」という、
見守り系の声かけもあります。


いかがでしょうか。
大坂選手のバインコーチは、
普段からこうしたトークで寄り添っているのでしょうね。
そして、最後の背中の押し方が抜群にうまいのかもしれません。
言葉によって最高の結果を引き出す、すごいことですよね。


最後に、アメリカンフットボールで社会人日本一と学生日本一が戦う
「ライスボウル」でのペップトークをご紹介。
2009年、社会人日本一の松下電工との試合を前に、
緊張と不安でガチガチになっていた立命館大学の選手たちを
励ました古橋監督の言葉です。
このトークの後、選手たちはビッグプレーを連発し、
見事勝利を納めています。


「男にはな、人生をかけて戦わなあかんときがある。
相手がどんなに強くても、相手のほうが絶対に有利だと言われててもな、
立ち向かっていかないかんときがある。


松下電工が強い、有利だと言うのはマスコミが言ってるだけやろ。
フットボールの内容、チームワーク、どれを取っても我々のほうが上や!
それくらいの力をおまえら一人ひとりが持っとる!
おまえらならできる!
おまえらならできるんや!


やろう!
このチームで最後の最後までがんばって、
力を出し尽くして今日は勝つ!


さあ、勝つぞ! 1、2、3、GO!」

これまでの記事

視点発見の旅
メルマガ【開-CAY】お申し込み

ご一緒に「視点発見の旅」へ!
メルマガは「開-CAY」で届きます

詳細を見る >>

「個人情報の取り扱いについて」

このページのトップへ