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「想定外」、好きですか?

先日、次男にサッカー選手のカードを
次々と見せられ、名前を答えるよう言われました。


以前は次男よりも私のほうが詳しかったので、
「余裕!」と宣言したのですが、
いざ始めてみると、顔もチームもポジションも
出身国もわかるのに、なんと名前だけ出ない。
「最初の一文字だけ教えて」とお願いして、
ようやく名前が出るという状況で、
次男に「覚えてないじゃん!」と言われる始末。
これはいかんと焦りましたが、中年だし仕方ない!と開き直りました。


ところが後日、
「20代も60代も記憶力には大差なし」
という記事を見つけました。


精神科医の和田秀樹氏によると、
人は覚えた20分後には42%を忘れ、
1時間後に56%、
1日後に74%忘れることを示した
あのエビングハウスの忘却曲線で見る限り、
年齢差はないのだそうです。


ではなぜ忘れるのかというと、
単純に若いころのように復習していないからだと
和田氏は指摘しています。


確かに。
私の場合、以前は頻繁にサッカーの試合を
テレビで観戦していましたが、
ここ数年は時間がなくて
ほとんど観ていませんでした。


和田氏によると、中高年で低下しがちなものは
記憶よりも「意欲」なのだそうです。


その要因の一つが前頭葉の老化。
前頭葉は感情のコントロールや創造性、
怒りや不安の処理を司っており、
この部分が老化すると意欲を維持できず、
学ぶこともしなくなるといいます。


そこで、すすめているのが前頭葉を使う生活。
どうするのかというと、
日々少しでも「想定外」のことが起こるようにするのだそうです。
そのためには、何かイベントに参加したり、
株式投資や語学など
何か新しいことを始めるのがいいとアドバイスしています。


逆に、前例や経験に従って同じことを
繰り返す生活は、
前頭葉を使っていないのだそうです。
会社でのルーティンワークに慣れてしまうと、
どんなに優秀な人でも、
いざ新しいことをしようと思ったときに、
前頭葉がうまく働かず、
創造性も意欲もわいてこないという事態に陥ってしまうのだそうです。
これは、怖いですね、、、。


現在88歳のクリント・イーストウッドは、
公開中の最新作『運び屋』で、監督・主演を務めました。
創作のポリシーについて、彼はこう語っています。


「私はいつも異なるタイプの物語に
興味がある。西部劇でも、現代劇でも、
どんな作品でも、私はずっと新しいもの、
脳を刺激するものを探そうとしてきたし、
この作品もそうだ」


さらに、90歳の運び屋の男性を演じるにあたって、
「自分は80代だが、
80代であると感じていないので、80代であることが
どんなことなのかわからない」と答え、
役作りの参考にしたのは
子どもの頃の祖父の記憶だと語りました。


私たちが、クリント・イーストウッドのような
好奇心を持ち続けるのは難しいかもしれません。
でも、好奇心を持ち続け、
多くの「想定外」を経験することで得られるものが
すばらしく大きいことはわかります。


気がついたらルーティンばかりと感じる方、
今日から何か一つ新しいことを始めて
みてはいかがでしょうか。

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