「気づくこと」の大切さ
今年のアカデミー賞は、
韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が
作品賞を含む4部門を受賞し、話題になりました。
授賞式では、ステージに立ったポン・ジュノ監督が
昔、本で読んだ巨匠の言葉にとても影響された、として、
客席のマーティン・スコセッシにメッセージを送ったのが印象的でしたね。
また、2度目のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を
受賞したカズ・ヒロ氏にも注目が集まりました。
カズ・ヒロ氏は、
『スキャンダル』で、主演のシャーリーズ・セロンの顔を
FOXニュースの女性キャスターそっくりにメイク。
前回の受賞では、ゲイリー・オールドマンを
ウィンストン・チャーチルに大変身させていましたが、
なんとなく、大変身させるよりも、
今回のように、顔つきの微妙な変化を表現するほうが難しそうな気がします。
とんでもないアイデアと技術、集中力が
必要とされたのだろうと想像します。
さて、そのカズ・ヒロ氏が
クリエイティブと向き合うためには
「気づくことが大切」だと、インタビューで語っています。
「何かを感じるときに、自分ではどう感じているのか。
反応するときは、自分の中にあるものと
返ってきたものがかみ合う時。
そのかみ合い方で単に習慣として反応しているのか、
あるいは別のことに気付いたのか。
それをしっかり見極めることが大事です」
何かに出会ったとき、
自分がどう感じているのか、を意識しなくてはいけない、
ということですよね。
どうでしょうか。
毎回自分の気持ちを敏感に受け止めている
という人、多くないような気がします。
何かに出会って、いちいちイライラしたり、
この感情は何なんだ、と考えることが面倒くさいから、
敢えて考えず、すーっと流しておこう、
という人も少なくないのではないかなと思います。
でも、感情や気づきこそが
クリエイティブの源なんですね、きっと。
アウトプットがメイクであれ、絵であれ、文章であれ、
自分がどう感じたのか、どう思ったのかを考えずにいると、
何も生み出せないということなんだろうな、と改めて思いました。
カズ・ヒロ氏は、こんなことも言っています。
「今まで得た知識の範囲内でしか考えらないと広がらないですよね。
結局、社会で植え付けられた知識を
基準として生活しているので、
それを取り外さないと先に進めません」
これは、固定観念を取り外す、とうことですね。
思い込みを捨てる、とか、常識の枠にとらわれない、とか。
よく聞く言葉ですし、
そうしなくちゃいけないのはわかるんだけど、
実際何をすればいいの? と思ってしまいますね。
人材育成コンサルタントの竹内義晴氏は、
固定観念を取り払うには、
「何がそう思わせているのかを考える」ことが大切だ、
と言っています。
たとえば、「自分を変えるのは難しい」という思いがあり、
行動にブレーキがかかっているとします。
そんなときは「難しい」と思わせているものは何か、を考え、分析してみる。
そして、必要がないものを一つひとつ手放してみる。
すると、今まで「難しい」と思っていたのは、
思い込みであったことに気づくことができるのだそうです。
こうしてみると、
やはり、きちんと「感じる」ことで「気づく」こと、
そして「考える」ことは、
何かを生み出すためには欠かせないということがわかります。
自分自身と向き合うこと、もっと大切にしたいですね。