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感情と言葉

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「やばい」という言葉で表現するのは
どんな感情?

2018年に小学館集英社プロダクションが
小学生を持つ保護者を対象に行った
「言葉の使い方についての意識調査」に
そんな問いがありました。

調査の結果によると、
「やばい」で表現される感情や状況は、

1位 あやしい
2位 びっくりしている状態
3位 おもしろい
4位 楽しい
   おいしい
6位 感動している状態

でした。

まあ、そんなところですよね。
うちの息子たちも

「あの曲はマジでやばい」(かっこいい)
「あいつはやばい」(あやしい)
「今日はやばかった」(びっくりした)
「あのラーメンはやばい」(とんでなく量が多い・・・とか)

みたいな感じで使っているように思います。

「やばい」は用途が広いですね・・・
言い方次第でいくつもの感情を表せてしまいます。

一方、同じ調査に
「語彙力に自信があるか?」という問いもありました。

これについては、

「ある」が8.5%
「ややある」が18.3%
「どちらとも言えない」31.2%
「あまりない」30.4%
「まったくない」11.6%

という結果。

「ある」「ややある」の合計は26.8%。
「どちらともいえない」「あまりない」
「まったくない」の合計が73.2%です。

そうですよね、という感想を持ちました。
私も「語彙力に自信があるか?」聞かれたら
「あまりない」と答えるだろうなと思います。
「ある」とは言えないし、
「ややある」って言うほどでもないか、と思うからです。
実際、1日どのくらいの言葉を使って過ごしているか、きちんとカウントしたら、多くないだろうなあ、と思います。

さて、『感情の正体』という本で、
著者である法政大学の渡辺弥生教授は、
人は感情を言葉にすることで、
自分の気持ちをうまく理解できるようになり、
周囲の人もまたその人に共感しやすくなると言っています。

たとえば、
「なんだか気分がすっきりしない。こう、なんというか・・・」
と言われても、言われた方も、言っている本人もどんな感情なのか理解するのが難しいですが、
「八方ふさがり」
という言葉にしたとたん、
感情や状態を理解できるようになる、と。

日本語には、
難しい表現を使わなくても、
感覚や感情を表すことができるオノマトペが多くあって

「どきどき」
「おどおど」
「ひやひや」
「いらいら」
「うきうき」
「くよくよ」

などで、抱えている感情を相手に伝えることもできますよね。

さらに、日本語には、四肢や内臓など
身体的変化に基づいた感情表現も豊富にあるので、

「腸が煮えくり返る」

というだけで、どれだけ怒っているかを示すこともできます。

ちなみに私の手元に
「感情ことば選び辞典」というハンディサイズの辞典がありますが、
ここには、感情に関するキーワードが
200ほどピックアップされていて、
それぞれのキーワードに関連する熟語が書かれています。

たとえば、
「愛する」というキーワードでは
「愛玩」から始まって「純愛」「鍾愛(しょうあい)」「盲愛(もうあい)」など
33の熟語が書かれています。

使ったことない言葉、まだまだどっさりありますね。

ある調査では、
男性が1日に発する言葉数は7,000語
女性が20,000語なのだそうです。
仮に1万語話すとして80歳まで生きると、
約3億語という計算になります。

その中に「やばい」は何回入っているのかな・・・

自分が発したり、書いたりする言葉をもっと意識しないと、自分の感情はもちろん、相手の感情も細かく汲むことができなくなりそう。
それこそ「やばい」と思った次第です。

GWも終わりました。
体調に気をつけてまいりましょう。

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