ハッタリはセルフ・プロデュース
30年ほど前のこと。
勤めていた会社を辞めてNYに移り住んだ私は、
当時、その会社は受付スタッフも募集していて
毎日のように数人が面接に来ていました。
アメリカだからなのか、その会社の特徴だったのか、
だれかが、と言ったのは、
受付ブースに座る人がころころ変わっていたからです。
「あれ? 昨日は女の子じゃなかった?
今日は男性が座ってるね」
「あれ? 先週いた子は?」
という感じで、どんどん人が入れ替わる。
ある日、その理由を採用担当のマネージャーに聞いてみると、
例えば「パソコンの知識はエクセレントだ」と言ってくるが、
でもそんなことは日常茶飯事なようで、彼女は「困るわよねー」
びっくりしました。
だって、すぐにバレることじゃないですか。
実際できないんだから。
しかも、バレたときに「ウソつきましたね」となって、
しかし、それをアメリカ人の友達に言ったところ、
「私だって、エクセレント・オーガナイズ・スキルと書く」と。
彼女は、片付けがまったくできなかったので、
「ウソでしょ!」って思いましたが、
なるほど、そういうものなのかと思いました。
自分のスキルを正直に伝えるどころか、
「それほどでもないです」と
低めに言ってしまうことの多い日本人と、
少しでもできれば(ほとんどできなくても)
エクセレントだと表現し、自分を最大限に売り込むアメリカ人。
考えてみると、私たち日本人は、セルフ・
でも、これは「ハッタリ」ってことだろうなと思いました。
私の古くからの友人に、学生の頃、
彼女は、
「水泳コーチのバイトをする、背中が美しい女子大生」
になると決めていたらしいのです。
泳げないのになぜ採用されたかというと、
コーチたちが、
「私たちがあなたに泳ぎを教えます」となったのだとか(彼女談)
そんなバカな、と聞いた時は思いましたが、
実際に泳ぎを覚え、美しい背中になった彼女を見て、
彼女はその後も、ほとんどできないのに
何かに応募しては、面接で
「実はこれは今はあまりできないのですが、
こういうことならできます!」
などと自分を売り込み、いろいろなことを実現させてきました。
彼女のアクションはいつも
「なりたい自分をイメージ」、
次に「ハッタリ」、そして「実現」でした。
今思うと、実現に向かうために、
ハッタリで自分にプレッシャーをかけていたのだろうなと思います
そういえば、以前、
「
ハッタリをかまし続けると実績も後からついてきます」
カリスさんは韓国出身で、
「思い込みが大事なんです。自分は特別と思っていない人は、
とカリスさん。
なるほどなあ、と思うと同時に、今の日本、
「いやいや、そんな私なんてそれほどでもないです」
みたいな人ばかりだと勢いがなくなるばかり。
「ハッタリ」をかける人も必要だし、それを受ける側も「