地域行事で雑談力を磨く
先週末、地域の夏祭りの手伝いをしました。
自治会のイベント担当が力を合わせ、
生ビールと焼きそばを提供した2日間。
私は、ひたすら焼きそばをパック詰めしました。
だんだんとリズム良く、うまく詰められるように
なるのが楽しくて、一緒にパック詰めしていた
同じマンションの人たちと掛け声をかけながら、
暑い中でもノリノリで作業できました。
地域の行事に参加する一番の楽しみは、
やはり住人との雑談です。
私が住むマンションは、周囲に自然が多いこと、
小中学校が近いことから子育て世代が多く、
我が家の子どもたちが小学生だった頃は、
マンション中、子どもだらけと言っていいほどでした。
今は子どもが独立した世帯が多くなりましたが、
それでも新たに入居してきた子育て世代もいて、
学校の登下校時には子どもたちの
元気な声が響いています。
なので、自治会の行事に参加すると、
20代と思われる人から70代、80代くらいまで、
全世代が集合します。
お祭りの準備をしながら雑談をすると、
いろいろな情報が飛び交います。
このあたりで初夏にカブトムシが見つけられる場所、
学校のPTA事情、街の開拓ストーリー、
迷い猫情報、タヌキ出現情報、さらに、
働く人たちのリモートワーク事情など。
保護者としては、子育てや学校の情報を入手する
チャンスですし、働く立場で考えると、
ある意味、異業種交流会のような場でもありますから、
役立つ情報が入手できます。
Shirabeeが2020年に、
全国の10代から60代の男女1789人に行った
インターネット調査によると、
「雑談が苦手」とした人は44.4%でした。
年代別にみると、苦手度が一番高かったのは、
20代男性。「友だちとはいくらでも雑談できるが、
初対面や目上の人には何を話していいか
わからない」という声が紹介されていました。
友だちと延々と話せるのは、
話題に共通項があることと、
すでにノリが共有できているからだと思うのですが、
雑談のパターンがその一つだけだから
困るのでしょうね、おそらく。
共通項がない場合の雑談の機会が
単純に少ないのかなと想像します。
その点、地域行事へ参加すると
世代をこえて会話ができますし、なんといっても、
独特なジョークも含めた、いろいろなパターンの
会話にふれることができます。
昔は、お正月に親戚が大勢集まる場所に行って、
酔っ払ったおじさんのあまりおもしろくない(笑)
ジョークを聞いたり、おばさんたちのおしゃべり
を聞いたりする機会があったので、
自然と、いろいろな人との会話のパターンが
身についたのだと思うのですが、
今はそんなチャンス、滅多にありません。
地域行事、とくに夏祭りのような行事は
オープンな雰囲気の中、
明るく、適度に酔った人たちと会話できる場。
ああ、こうやって話しかけるんだなとか、
こんな冗談が飛び交うんだな、
ということを知ったり、
その冗談を他の人がどうあしらうのかを
見たりできる大変いい機会です。
そういえば、我が地域の夏祭りは
現金ではなく金券での販売だったのですが、
焼きそばの販売を手伝っていた
20代と思われる住人女性が、
買いに来たおそらく70代の男性の
「金券はないかもしれないけど、
銀券は持っているかもなあ」のジョークに対応できず、
「銀券ですか・・・。あの・・・金券を
買ってきていただけますか?」と言い、
「金券が金色だともっとわかりやすいけどねえ」
にさらに混乱し、
とうとう男性が「ぼく、冗談を言っています」と
打ち明けるシーンを目撃しました。
その後、「冗談だったんですね」と笑い合って
ハッピーに終わったようでしたが、
来年以降も引き続き行事に参加すれば、そのうち
「銀券ならあります」
「じゃ、銀券でいっちゃいましょうか!」
くらいのやりとりになるのかもしれません。
場数って大事ですね。
こうして考えてみると、
リモートワークが多くなって、雑談が減った今、
何気ない、なんでもない会話をする機会が
すごく少なくなっているように思います。
地域行事は、運営側の負担がありますので
開催は簡単ではないですが、
住民同士が協力し合って、さまざまな世代が参加し、
会話する機会を増やせればいいなと思いました。
まだまだ暑いですが、
日が暮れるのが早くなりました。
秋がそこまで来ていますね。
体調に気をつけてまいりましょう。