ドラマ「SP」で考える、モノ作り意識
ワタシは、テレビドラマを継続して見る習性がないにもかかわらず、今、なぜかフジテレビの「SP」という深夜連続ドラマにはまっています。「V6の岡田くんが主演のアレ」といえば、わかる人はわかるのではないでしょうか。土曜日の深夜番組です。
「なぜか、はまった」なんて書きましたが、自己分析的に言うと、こういうの好きなんですね、きっと。「24」などもそうですけど、スピード感があるアクションが、多分、ワタシはキライじゃないのです。
告白すると、ワタシの影のあだ名は「ジャンピー」です。映画を見ていると、最低1シーンで腰が椅子から浮く、と。つまり、映画などを見ているときにハラハラドキドキすると、とってもジャンピーになっちゃうのですよ、実は。で、自分がジャンピーになっている時というのは、案外、楽しんでいる時なのです。「SP」を見ていても、ワタシはジャンピーになるので、多分、これ、おもしろい!ってことなんでしょうね。
さて、雑誌「Cut」の1月号で、このドラマ「SP」の番組の成り立ちが、紹介されていました。「岡田准一×金城一紀」の対談記事でです。金城一紀という人の思い入れや実現させるまでのエピソードがあり、関わっている人たちの熱い思いが伝わってくる記事でした。
もっとも感銘を受けたのは、二人が「日本のアクションのスタンダードを作りたい」という意識を共有して、生まれたドラマだという点です。何が新鮮だったかと言うと、「スタンダードを作りたい」というこの言葉の響きです。「今までになかった革新的なものを作りたい」というのと同義なのに、それを「スタンダード」と言った点です。
もし、「今までになかった革新的なものを作りたい」と彼らが言っていたなら、それは多分一過性のもの、いっとき話題になる程度のものしか目指されていない感じがするのですが、「スタンダードを作りたい」と言われた時点で、「こいつらの思いはもっと深いぞ」と思いました。
こんなところに言葉の力のヒント、コミュニケーションのヒントが隠されているんですね。
たかがテレビドラマなのですが、11時という深夜枠であるにもかかわらず、記録的に視聴率がよいようです。
これからが楽しみな番組です。マス受けに走ってしまってもよいですが、チャレンジングな実験的感覚も忘れないでほしいと思いました。
個人的には、ワタシが今進めている事業企画も、後の時代になったときに「あのサイトがECサイトのスタンダードをつくった」と言われるものをつくりたいと思いました。