タイ王室に学ぶリーダーシップ
2月の7日からわずか5日間の日程で、両親を引き連れてタイに行ってきました。タイに行くのは初めてでした。なかなか奥深いものがあって、ぜひもう一度行ってみたいと思います。
タイにもう一度行きたいと思った理由は複数ありますが、ビジネスウーマンとして一番感銘を受けたことについて、絞って書かせていただきます。それは、タイの王制についてです。言うまでもなく、タイは日本と同じように立憲君主制です。それだけなら、日本と大きな違いはありません。けれど、タイでは、王が人心を掌握している。みんなが国王を敬愛し、王の存在に誇りを持っていると感じました。タイ人のガイドのクルマには、国王の写真が貼られていたのですが、戦時中の日本とは違うものがありました。
現在の国王はラーマ9世です。タイの国民が、ラーマ9世を敬愛している理由がイケてます。極めてシンプルです。国王が、国民を最優先して行動していると感じているから、です。ただ単に「国王だから」ではありません。タイ国民は、それなりにニュートラルな視点も持っていて、「現在の皇太子の人気はイマイチで、彼は国王にはならないと思う」と平気で発言します。
注目すべきは、「国王は国民を最優先している」となぜ国民が感じるか、です。これはワタシなりの翻訳になりますが、「国王は私腹を肥やそうとしていない」と同義で使われているのだと思いました。「多くの国の国王はロールスロイスに乗っている。でも、タイの国王が乗っているのは、TOYOTAの『カローラ』だ」という発言や、「国王は王に贈られた金品を国民に還元して、地方に学校を作ることに充てている」という発言に現れています。真偽のほどはわかりません。タイの王室の広報マンが優秀なだけである可能性も、もちろんあります。とは、いっても、この話にはリーダーという立場にある人たちへの教訓に溢れています。
これらの話がワタシに与えてくれた教訓は、自分を最優先するリーダーはリーダーたりえない、ということです。権力を持った途端に変わってしまうリーダーは論外です。国民を最優先するということは、目的を最優先するということでもあります。
ワタシは、会社のリーダーとして、同様のことを自問してみました。幸い、今は大丈夫だと思うことができましたが、いつ、なんどき、どんな悪魔のささやきが訪れるかわかりません。ヒトとして、きれいな人間でありたいと痛感したタイ旅行でした。ち