楽天は特化型モールに勝てるでしょうか?
昨日はお天気がよかったので、駒沢公園界隈まで散歩に行きました。電車やクルマで移動しているだけだとわからない発見があるので、散歩って好きです。久しぶりに歩いてみて驚いたのですが、あの界隈は「わんにゃん天国」なのですね。犬を連れて入れるカフェが多いのはもちろんですが、犬の健康を考えたドッグフードの専門店、ペットのファッションの店、ペット販売の店、迷子犬の里親を探すマッチングの店等々。実際、4?5人に1人の割合というとオーバーかもしれませんが、かなりの割合で犬を連れて歩いている人に出会います。
このように、あるキーワードに特化して商業施設が集積され街が形成されると、それに「期待」をもって集まってくる人たちが生まれ、普通の街ならその店の存在に気づいてもらことさえ難しいのに、そうした特化型の街であれば、目に留まるということが起こるのですね。
ワタシの会社、グラスルーツは青山の骨董通り沿いにありますが、骨董通りもアンティークショップが並ぶ特化型の通りとして、その名前がつきました。(実際には、骨董品を扱う店の数は以前より減ってしまった印象がありますが…。)
こうした例は他にもあります。高級ブランドのフラッグショップが並ぶ銀座はその代表選手ですし、秋葉原、巣鴨、歌舞伎町、新橋なども、絞り込まれた消費者が集まる代表的な街と言って過言ではないでしょう。最近では、新宿3丁目の無国籍化などもおもしろい動向です。
こうした場所に出店すると、同業者(同コンセプトの店)同士の競合は激しいでしょうが、そのエリアは限られたターゲットユーザを吸引する力を持っているので、プラスとマイナスを相殺してもプラスの方が大きいという判断も成り立ちます。プラスのポイントを一言で言えば、店とユーザのマッチングの精度が最初から高いという点です。
渋谷を歩いている1000名の消費者と秋葉原の街を歩いている1000名と、それぞれのその日の目的を比べた場合を想像すればすぐにわかることです。秋葉原に家電やパソコン関連で出店した場合、競合は激しい。でも、店舗の前を通過する人の大半は見込客である。この意味はとても大きいはずです。
と、考えたとき、これをネットに置き換えてみるとどうでしょう。総合的なモールの時代がいつまで続くのだろうかと、そんな疑問が湧いてきます。
アパレル業界では、magaseekやStylife、ZOZOタウンなどの特化型モールが隆盛していますが、こうした動きは他の業種でももっともっと広がって行くのではないかと思います。楽天やYahoo!ショッピングのような総合型のモールがなくなることはないと思いますが、別の勢力が強くなってくることはいくらでも考えられます。そんな時代に備えて、ネット販売のあり方を考えるというのは、今後ますます必要となる視点のような気がします。