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媒体露出とブランドコミュニケーション

 媒体に露出させる。それが企業のブランディングにとって重要であることは言うまでもありません。しかし、露出すれば、何でもいいというわけでもありません。マッチする媒体もあれば、明らかにマッチしない媒体もある。
 しかし、悩ましいのは、ベストマッチではないが、はずれてもいないグレーゾーンの媒体の場合ではないでしょうか。企業にとって、このときの判断はとても難しくなるようです。

 時として、ワタシたちはクライアントのコミュニケーションのあり方として望ましくないと思われる場面に直面すると、率直に反対意見を言わせていただくことがあります。
 あるクライアントから、著名な出版社から出ている某雑誌にペイドパブリシティを出すと聞いて、反対したことがあります。確かにその条件は一般的に言えば破格のものでしたが、その企業にとってその媒体に露出させることが決してプラスになるとは思えませんでした。クライアントサイドに「若いユーザの掘り起こし」という課題があったからです。雑誌のコンセプトはクライアントの事業とマッチしているものの、雑誌のターゲットが60代以降でした。
 しかし、掲載しようとする判断にも、それなりの理由がありました。その企業のターゲット顧客は20代から60代以上まで幅広かったのです。「若いユーザの掘り起こし」という課題があるのは事実なわけですが、60代もターゲット顧客に含まれているわけですから。

 判断を迷わせる原因は、一般論としての「破格の条件」にあります。この話に乗らないのは、もったいないような気がしてしまうのは当然かもしれません。

 このようなグレーゾンにおける判断を下す場合に、ワタシは次のような尺度で考えてはどうかと思います。

(1)優先順位の高い現課題(この場合は「若いユーザの掘り起こし」)に対して、多くの手を打てているのかどうか。予算のバランスは悪くないか。
わかりやすい例えとしては、若いユーザ対策に9割、高齢者対策に1割であるなら、
その範囲で高齢者ターゲットの媒体に露出させるのは悪くありません。

(2)車内吊り広告や新聞広告に社名やブランド名が出ないようにコントロールできるか。
ターゲットユーザの層が広い場合、ある特定年齢層の雑誌にバ?ンと出てしまうと、その雑誌の読者層ではないターゲットにとっては、共感できないブランドになってしまう心配があります。車内吊り広告に出てしまうことは影響が大きすぎるため、事前にそのチェックは必要です。(もちろんターゲットがマッチしている場合なら車内刷り広告に乗る方が良いのはもちろんです)。

 ターゲットのマッチ度がグレーゾーンの媒体の場合、破格の条件に惑わされると、ブランド戦略における適切な判断ができなくなります。露出はしたものの、マイナスになったということを避けるためにも、慎重に判断したいものですね。
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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