リーダーに必要な3つの気質
起業を考えているある人と話をしていて、「なるほど」と思ったことがありました。その方が読んだある本によると、経営者には3つの資質が求められるが、3拍子揃っていることはなかなかないのだそうです。3つの資質とは、「起業家的性質」「マネージャー的性質」「職人的性質」です。
「起業家的性質」というのは、いかに夢を語り、その夢への賛同者を得るか。「マネージャー的性質」というのは、いかに現在の問題を把握し、改善できるか。「職人的性質」というのは、その事業の根幹の部分をプレーヤーとして支えると同時に、スタッフに手本を示せるか。
本自体は読んでいないので、上記はあくまで私の理解の翻訳になりますが、言われてみるとその通りだと感じました。と、同時に、これは経営者にだけに求められる資質ではなく、リーダー的な立場の人には必要な資質であると思いました。つまり、経営者ではなくても、人を束ねている人は、夢も語れ、問題も改善でき、手本も示せなければならないのだろう、と。
私にこの話を教えてくれた友人は「自分はマネージャータイプである」と言い、私を「起業家タイプである」と言いました。間違っていなくもないのですが、私自身が感じているのは、時期によって、変わってきたということです。
20代後半から30代前半は職人タイプでした。この時期は、プレイヤーであることが好きでしたし、周りからもプレイヤーとして頼られていたと思います。それで、少し天狗になって、鼻をへし折られたり。。。懐かしい時代です。
続く30代後半は、夢とロマンを追う一方で、現実の壁にぶつかり、経営は向いていないとか、何のために働くのかなど、多少内省的になっていた時期です。現実を見据えてマネージャー的な素養の必要性を感じた時期でもあります。経営の数字というものを、どう読むのかは、割合早くから考えてはいましたが、数字からモノを考えることを真剣に学んだ時期でもあります。
友人は、私を「起業家タイプである」と言いましたが、ロマンではなく、現実感のある形で私が夢を語るようになったのは、極々最近。40代になってからだと思います。ただのロマンと現実感のある夢との違いは、平たく言うと地に足がついているかどうかです。なにせ、20代は何でもできるような気分でしたしね。自分なりのロマンは語ってはいても、多分誰も私の話など信用していなかったでしょうね。ようやく今になって、地に足がついた形で、スタッフに夢を話せるようになるとは、今更ながらに随分と奥手だと感じます。
私の場合は時期によって少しずつ3つの性質のふくらみが変わってきたように感じますが、これは人にもよるようです。生まれもっての起業家タイプの人は何歳になっても起業家タイプ一筋の場合もあるようです。でも、多分、それで良いのだろうと思います。まずは、自分に足りない部分を自覚し、欠けている部分の補い方を考えればいいのではないかと思います。
ただし、その本によれば「苦手だから我関せず」はダメみたいですね。自分は苦手だから誰かに任せるということと、自分は苦手だから誰かに任せて関知しないことは別のことだからなのでしょう。
あなたは、ご自身をどのタイプだと思いますか?