バランス力とルーレットの効用
こんにちは、グラスルーツのオノです。
言うまでもありませんが、企業経営はギャンブルではありません。ワタシ自身も含めて、そういった価値観を持つ者からすると、ワタシが今から書こうとすることは一見矛盾するような、わかりにくい話なのかもしれません。が、先日の当社リーダーとの懇親会の中で、半ば冗談で「自分自身のマインドコントロールのためのトレーニングとして、ルーレットは有効だ」という話をしました。
ワタシは、海外に旅行に行って、その土地にカジノがあれば、大抵はルーレットで参戦します。参戦のモチベーションがどこにあるかといえば、カジノから出てくるときに、勝って出てくるか、負けて出てくるか、その勝率にあります。言い換えれば、決して「いくら勝ったか」ではないのです。理由は単純で、ビギナーズラックも含めて1回勝つことはいくらでも起こりますが、続けて勝てる人は極めて少ないからです。
さて、ルーレットの魅力はいろいろあります。ただ単純に「勝った」「負けた」もそのひとつ。でも、何よりおもしろいのは、自分の内面と向き合ったその先に勝敗があることなのではないでしょうか。
強気・弱気という軸と、直感・理性という軸があり、この2つの軸でできるマトリックスに対して、自分のマインドを狙った位置にコントロールするのが、ワタシにとってのルーレットの醍醐味となっています。カジノを後にするときに、負けを背負わないためには、毎回のチップの置き場所に対して、これらのバランスについて自問自答してみます。
もう少し正確にいうと、強気・弱気のバランスは真ん中よりやや上の強気気味が一番(完全な強気だと良いことナシ)。直感と理性のバランスは7対3で直感に振れている状態が一番です。直感は次に出るナンバーをイメージすることに使い、理性を使うのは、確率的に矛盾のない攻め方をするためと、どこで降りるのかを決断するときだけです。
自分のマインドを2つの軸のその位置に維持できれば、大抵は勝ってカジノを後にすることができる。これがワタシの定石です。
ところが、人間のココロはそこまでシンプルにはできていないので、ハズレが続けば弱気になって腐りがちになり、手元にチップが貯まっていれば高揚して強気にもなります。また、続けて5回「赤」が出たりすると、どうしても「そろそろ黒だろう」と理屈で考えがちです。(実際には6回目もまた「赤」かもしれないのに)。
ルーレットが好きなワタシも、経営にこの論理をそのまま当てはめるわけにはいきません。けれども、強気と弱気、直感と理性のバランスをどう保つのかを考えながら、自分のマインドをコントロールすることは生きる知恵として有効な気がしています。そうすることで、強気すぎるときは理性でストッパーを働かせることもできれば、弱気な原因が単に理性的な情報から来るときは感性を信じて自信を取り戻すこともできます。要はバランス力が重要である気がしています。
自分で書いていながらも、ルーレットでココロのバランス力を高めるなんて話は、イマイチ説得力がないような。でも、試してみるのも楽しいじゃありませんか。オッホン、これでも、7割ぐらいの勝率で勝っていますから。