ブランディング、コミュニケーション、チームワーク…。週1回の社長ブログです

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未来をないがしろにしない

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

政治も混乱、経済も混乱で明けた2009年。いったいどのような年になるのでしょうか。
いや、待て。こう活字にしてみて、この書き出しに自らダメ出しをします。「どのような年になるのか」などというスタンスは大きな間違えです。どのような年にするのか、と考えるべきですよね。初詣に出かけたときも、お参りしながら考えたものです。この時代、神頼みでいたらアカンと。

さて、正月休みは収穫がありました。1冊の本のおかげです。話は横道に逸れますが、世紀の大不況だ、正月を家で迎えられない人びとがいるなどのテレビの報道を見ていると、どうも経営マインドが「どうやって守るのか」「どうやって生き残るのか」とついつい考えがちになるのが人の常。でも、年の初めにそんなネガティブ発想であってよいはずがありません。未来志向で夢を持たないと。景気対策という現実への対応も考えないでいいとは思いませんが、人が何かにがんばろうとするときに、その先の方向性が見えなければ、がんばれないと思います。同様に、どんな人参をぶらさげられても、その人参を差し出されている理由がわからなければ、おいしく食べることなどできません。政府が実施しようとしている定額給付金も、その意味で成功するとは思えません。

さて、話を元に戻すと、この休み中に遅ればせながら「ビジョナリーカンパニー2」(ジェームズ・C. コリンズ著, 山岡 洋一訳) を読みました。2001年が初版ですので、新しい本とは言えませんが、最近また一部の書店で平積みにされていたりするようです。ご存知の方も多いかもしれませんが、この本では、株式運用成績が15年にわたって市場並み以下の状態が続き、「転換点」の後は一変して15年にわたって市場平均の三倍以上になった企業を対象に調査を行い、その共通点を見出そうと試みています。未来志向でモノを考えるうえで、とても新鮮な視点を提供してくれています。経営書であると同時に、組織論でもあり、ちょっと飛躍的すぎるかもしれませんが、ある意味ブランド構築論でもあります。サンプルとなった企業は成功したとはいえ、転換点においては苦境にあったり、激しい環境変化の時期にありました。それでも未来を見て自社を変革させています。現実論も考えつつ、未来的目線を失わない。それは今の企業にも、今の日本にも必要だと思いました。

と、そんなことを考えていたら、一昨日の日経で村上龍氏の意見が大きく取り上げられていました。タイトルは「希望再興へビジョン描け」。経済を根本で支えるのは信頼であって、現在、様々な階層間、組織間、(おそらくは属性ごとのグループ間なども含めてよいだろう)で渦巻いている不信を払拭し、信頼を回復することが最重要課題である、そして信頼を生むには希望を持ちうるビジョンが不可欠である、という主張には共感が持てました。

今日のこと、明日のことを優先するがあまり、未来をないがしろにしてしまいがちな今の時代ですが、だからこそ、少し引いて見たり、遠くを見たりすることを意識的に行いたいものです。そんなことを自分に言い聞かせた年の初めでありました。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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