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「モチベーションカンパニー」のアプローチ

20090129-motivationC.jpg ワタシは、いわゆる読書家ではありませんが、最近、なぜか本をよく読みます。読んでいる本から自己分析すると、多分何か変革を求めているのでしょうね。あるいは、原点に立ち返って、自分の行っているビジネスを「リモデル」したいと思っているからなのでしょう。
 というわけで、今日の記事は経営や経営企画に携わっている方のご参考になればと思い、書きます。

 今「リモデル」と書きましたが、ワタシは言葉の選択へのこだわりとして、「リモデル」という言葉を敢て選びました。でも、実は「リモデル(remodel)」と「リストラ(restructure)」はほぼ同義です。しかし、「リストラ」という言葉を今使うと、イコール人員整理も含めた事業再構築のイメージの方が強いですよね。もっと悪く言うと、利益の減少→コスト削減→人員削減というような短絡的なイメージもあります。景気が悪いだけに、このタイミングでビジネスを抜本的に見直そうとすると、そういった誤解が生まれやすいのですが、ワタシは、自分が今取組もうとしている事柄を、いわゆる「リストラ」という概念とは区別するために、言葉を選んで使っています。「リモデル」イコール「改造」というような意味です。

 話が横道に逸れてしまいましたが、最近読んでおもしろかった本の一つは「モチベーションカンパニー」(著:小笹芳央氏、刊:日本能率協会マネジメントセンター)です。サブタイトルに「組織と個人の再生をめざすモチベーションエンジニアリングのすべて」とあるように、人のモチベーションに対して工学的にアプローチしており、組織のモチベーションを可視化する方法論が紹介されていました。

 いくつかの興味深い方法論が紹介されており、早速社内でそれを検証してみました。アンケート形式での調査を行い、どのように可視化されるのか、やってみました。いくつかの方法論の中でも、経営者が特に目を向けるべきだと思ったのは、社員からみて会社に対して期待値の高い事柄とそれに対する満足度の差を調べ、優先課題を浮き上がらせるための方法論です。
 アンケート結果に応じて、期待値が高く満足も高い項目、期待値が高いのに満足度が低い項目、期待値が低いわりに満足度の高い項目、期待値が低く満足度も低い項目…という4つの次元に分けて分布を見た上で、期待値が高いのに満足度が低い項目から解決努力をすべきであるという提言がなされています。
 当社で行った調査では、予想外に悪い結果はなかったものの、「仕事がしやすい環境で働く(重要度4.7、満足度4.6)」「魅力的な人と一緒に働く」(重要度4.8、満足度4.1)等の満足度が高かった反面、「会社の事業内容やその意義」は中央値(重要度4.6、満足度3.1)に近い場所(重要度4.7、満足度2.9)にあり、全体として見た時には優先度の高い課題だということがわかりました。ちなみに、重要度、満足度とも最大値は5になっています。

 これが「予想外でなかった」と思う理由は、だからこそワタシ自身も「リモデル」の必要性を感じているからです。どうすれば他社と差別化でき、結果として生き残れるのかを考える必要性を一人ひとりのスタッフが感じ取っているからなのだろうと思いました。そして、そのような議論はすでに社内で始まっています。グラスルーツの強みが活かされ、ナンバーワンプレイヤーとなるためには、どうしたらいいのか、という議論です。

 さて、この本が示してくれた事例は、「企業のコミュニケーション」という課題の中の「社内モチベーション」という分野に関する測定方法でした。とかく、コミュニケーションは測定しにくいと言われていますが、測定し、改善策を考える、すなわちコミュニケーション活動のPDCAを回すということが、企業活動にとってとても重要だと思います。私たちグラスルーツが取組んだ案件の一つひとつで、PDCAを実践し、改善策を講じるところまでクライアントのお手伝いをしたいと改めて痛感した次第です。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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