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「広報」はまだまだ進化できる!

 昨日、イー・マーケティングさん主催の「Z-XCV<ジクシブ>検索セミナー」に行ってきました。いくつかのアジェンダの中でも、元々今回の目当てだったクロスメディア代表取締役の雨宮和弘さんの講演「企業サイトの盲点と改善ポイント」を中心に感想を書かせていただきます。

 雨宮さんは、外資系半導体メーカーにおける広報(メディアリレーションやコーポレートコミュニケーション)のマネージャー職から10年ほど前に独立され、ネットの活用を中心に企業のコミュニケーションモデルに関するコンサルや人材育成等を行っている方です。戦略策定や企画制作にも携わっていらっしゃるので、ある意味、私たちグラスルーツと似ている事業領域でお仕事をされているわけですが、ワタシが興味を持ったのは、元々の畑がワタシと同じで「広報」にあったからです。同じような価値観をお持ちなのではないかと勝手に想像し、「もしや、同志?」と感じて聞きに行ってきました。
 案の定、お話いただいた雨宮さんの問題意識には共感するものが多く、約1時間の講演はあっというまに終わった感じです。たまたま事務所が歩いて行ける場所なので、近いうちに遊びに行かせてもらうことにしました。

 雨宮さんの指摘はいくつかありましたが、その中で特に印象に残ったことを論旨としてまとめると;
(1)日本のコーポレートサイトのトップページは、伝えたいことがわからない単なるリンク集になっている。海外の、たとえばGEやGAPは伝えたいことをシンプルに明確に伝えている。
(2)その原因は、日本の企業サイトは縦割りの組織がそのままサイトに反映されているからである。(=全体のコミュニケーションをマネージメントする人が不在。しかも人事のローテーションで人が育たない)
(3)その結果、リニューアルしたのに、効果が見えないということが起きている。
(4)制作会社に発注する前に、コミュニケーションのモデルがどうあるべきかを突き詰めて考えないと、こうしたことは起きる。
(5)今の企業Webサイトは単なる「情報伝達・情報開示」に終始していて、バナーや情報配置から伝わってくるのはその企業の社内のポリティクス、すなわち力関係などだ。ユーザー目線で考えると、意見を言いたくなる、フィードバックを得られるコミュニケーションに重きを置き、部門の隔てなく全体を統治(ガバナンス)すべきだ。


 上記は超訳ですが、まったくもって、同感です。情報開示と戦略メッセージは別のものですし、情報を載せたから目的を達成したことにはまったくならない…。のですが、往々にして、多くの企業の現在のコミュニケーションはその範囲で終わっているように思います。広報(もしくはPublic Relations)という概念は、少なくても20年前に比べて浸透していて、重要性に対する認識は社会全体に上がっているのは事実です。しかし、組織づくりの方が追いついていないように感じるのは、ワタシだけでしょうか。

 しかも、難儀なことに、コミュニケーションというのは測定しにくい面があります。もちろん、ことWEBに関して言えば、アクセスログの解析も含めて、他のメディアに比べると数値的な把握はしやすいものの、全体としては測定しにくいのは事実です。効果も測定しにくければ、弊害も測定しにくい。その分、本気の本気でコミュニケーションを考えている企業/経営者が多くないような気がします。
 しかし、だからこそ本気で取組むことに価値があると言えないでしょうか。
 そんなわけで、「同志がいた!」という気持ちで帰ってきました。

 有意義なセミナーを無料で開催してくださったイー・マーケティングさんに感謝を込めて、セミナーで発表されたその他の内容を項目どまりですがお知らせします。詳細は書きませんが、いずれも「なるほど」と感じられるツールでした。
Z-XCV新バージョンの概要イー・マーケティング/澤井条二氏)
サイト内検索におけるキーワード分析ツール「ログカルテ」NTTラーニングシステムズ/武田光正氏)
・最新のSEO動向とサイト分析(E-arth/藤田篤志氏)
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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