売上の位置づけ
こんにちは、小野です。
一昨日、ある一部上場企業の副社長とお会いしました。共感する話を伺ったので、簡単にご紹介します。
その方いわく、「ここ最近の景気の影響で、多少の業績の落ち込みはあるが、当社はガツガツと社員に売上を上げろというようなことを求めないし、当社はそうした文化ではない。むしろ、お客様に対して、きちんとより良い接客をして、来店して良かったと思ってもらうことだけを考えろと言っている。ちゃんと良い商品を作れば、必ず売上はついて来る」。
伺ったお話を要約すると、そんな感じのお話でした。
売上という要素をどうとらえるかは、経営者によって大きく2つに分かれます。行動は求めるが、売上は行動の結果ついてくるものという考え方と、売上のために行動を考えろという考え方です。
売上なんてどうでもいいと考える経営者などいません。でも、どうやって売上をつくるのかによって、会社経営は大きく変わってきます。
ワタシは、前者、目標値は立てますが、「売上=行動の結果」派です。ここでご紹介した事例も前者だと思います。ポリシーを売上より重視。これが前者の特徴です。
今は亡き人になってしまいましたが、ワタシはこういった考え方をシュガーレディの佐藤啓次郎社長(当時)に教わりました。
「自分は、社員や販売に携わるシュガーレディさんたちに、どれだけ売上を上げるかよりも、その売上をどうやって作ったのかを問いたいし、どうやって売り上げたかを重視するのがシュガーレディだ」。
その言い切り方に潔さを感じたのを今でもよく覚えています。そして、言葉だけではなく、実際、同社が売上ノルマのようなものをシュガーレディさんに課すことはありませんでした。
違う言い方をすると、それは長期的な目線と、短期的な目線の違いであるような気もします。間違いなく、「売上のために行動を考えろ」という経営の方が成果は早く出るでしょうから。
どちらの経営が良いのかを判断するのは経営者ではなく、お客様であったり、社員なのでしょう。
「ポリシー>売上」の経営思想がお客様からも支持されるのは限りない理想ですが、そんなに現実は甘くありません。でも、そうとわかっていながら、意思を貫くからこそ、それは「ポリシー」と呼べるのだと思います。
同じような考え方の経営者と触れ合える機会があるのは、ありがたいことです。ヨシ!このままこの方向性でがんばるぞ!と思えるので。
そういう意味で、ワタシにとっては貴重なひとときでした。