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人工知能とブランディングの不思議なつながり:意味ネットワークとは?

 おはようございます。グラスルーツ小野です。

 さて、昨日は、イニシアコンサルティングの社長、丹生光さんと食事をご一緒しました。丹生さんとお会いするのは、実は今回でまだ3度目です。仕事でも、プライベートでも、ちょっと個性的で刺激のある人と出会うと、なんだから楽しくワクワクするじゃないですか。その山が、極々初期に訪れる相手もいれば、しばらく経ってからくる相手もいると思いますが、ワタシにとって丹生さんは前者でした。ワタシが言うのも失礼かもしれませんが、滅多に出会えないような天才気質の方だと思います。

 丹生さんは、ワタシの知らない概念を次から次へと語りながらも、知識を自慢するわけではなく、専門的な話でも噛み砕いて話してくださるので、とても楽しく有意義なひとときでした。

 昨日の話題の中で、とてもおもしろかった話を紹介したいのですが、それを絞るのは大変! でも、一番おもしろかったのは「意味ネットワーク」と「問題空間」の話でしょうか。なので、今日は「意味ネットワーク」について書き、明日その続きで、「問題空間」について書きます。

 「意味ネットワーク」も「問題空間」も、人工知能の話と関係しています。エンジニアだった20代の一時期、人工知能に興味を持って勉強したのだとか。
 「意味ネットワーク」が出てきたときの会話の流れは、当社の業務領域→コンテキスト・デザイン→「コンテキスト・ブランディング」という本→人の記憶のメカニズム→意味ネットワーク。こんな感じです。

 さて、ここで言う「コンテキスト・ブランディング」という本の正式タイトルは、「ブランド戦略シナリオ―コンテクスト・ブランディング」(阿久津聡/石田 茂 著、ダイヤモンド社 刊)です。その本の中には、ニチレイ「アセロラドリンク」のブランディングの話が紹介されていたので、ワタシが話の流れでその概要を伝えました。
 要約すると、アセロラと聞いてビタミンCを連想できる人は多いが、ビタミンCと聞いてアセロラを連想する人は少なく、多くの人はレモンを連想する。そんな課題をどう克服したかの事例が書かれていた、と。

 それに対して、丹生さんがフィードバックしてくれた話が「意味ネットワーク」でした。
 人工知能の世界では、30年以上前に、意味ネットワークという概念が確立されていたそうです。それが何かといえば…。人が言葉の意味を理解していく時の脳のメカニズムを解明し、人工知能に応用しようという考え方が根底にあり、コンピュータがデジタルに理解できる知識体系をつくるために、言葉と言葉の連想関係を相関図で表したもの…? ワタシはそのように理解しました。
 詳しくは、丹生さんのブログコトバンクも参照してください。

 意味ネットワークについて説明してくださる中で、乳幼児が言葉を最初に覚えるときの例が挙がりました。 
 乳幼児が最初に犬に触れたとき、おかあさんは「あれは、『わんわん』」と教える。すると、子どもは『ワンワン』は、(1)四つ足、(2)毛むくじゃら---と覚える。ところが、四つ足イコール『わんわん』ではないし、毛むくじゃらイコール『わんわん』でもない。
 そして、またその乳幼児が初めて猫に出会ったとします。最初は、(1)四つ足、(2)毛むくじゃらなので、子どもは最初は『わんわん』だと思ってしまいますが、再びお母さんが「あれは、『にゃーにゃー』」と教える。すると、子どもは、差分の知識(犬と違って、しっぽは振らない等)を蓄積して、『わんわん』と『にゃーにゃー』の違いを理解し、記憶する…。
 ブランディングで、相手に何かを理解してもらうには、意味ネットワークを描くといいのかもしれない。そんなお話でした。

 さて、もしそうであるならば、ワタシのクライアントが『わんわん』で、その競合が『にゃーにゃー』であるなら、「『わんわん』はしっぽを振る」のみならず、「しっぽを振るのは『わんわん』」を認知してもらうためにどうすればいいか、知恵を出しますよね。

 あー、勉強になった! 明日は、続きで「問題空間」について書きます。以上、ワインを飲みながら思わずメモをとってしまった小野からのレポートでした。
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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