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伝統色の魅力

 昨日、文楽の記事を書いたら、「今週末の歌舞伎座のチケットがあるのだけれど、行かないか」と誘われました。文楽といい、歌舞伎座といい、チケットを譲っていただくばかりのワタシって何なのでしょう? でも、申し訳ないという気持ちが半分、「ラッキ?!」という気持ちが半分。現金なものです。

 さて、今日は「色」の話です。
 昨日の文楽の記事で書き切れなかったのですが、国立劇場に行くたびに感じることがあります。それは、舞台の「幕」の美しさについてです。日本の伝統色の太いストライプ。その色彩を見るにつけ、ワタシの中に眠っていた日本的美意識が刺激され、「美しいなぁ。自分は日本人なのだなぁ」と感じます。教えられたわけでもないのに、知らないうちに「日本的な色彩」を感じるのですから。

 デザインに関わりのない人にとって、「伝統色ってナニ?」と思われるかもしれませんね。「ナニ?」という問いに対して、実はワタシも明快に答えられません。ネットで調べてみたのですが、やはり定義のようなものはわかりませんでした。

 デザイン系の仕事をしていると、まず思い出すのは「DIC」の色見本帳「日本の伝統色」です。652色の色見本チップが綴られています。DICからは、このほか「中国の伝統色」や「フランスの伝統色」といった見本帳が出されています。カラー印刷の場合はCMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、黒)の4色の掛け合わせで色が印刷されますが、印刷にはカラー印刷の他に特色印刷というのがあります。「日本の伝統色」は特色印刷で使われる特色の一種なのですよね。
 で、この色見本帳を眺めていると、「日本の伝統色」はいかにも日本らしいですし、「フランスの」はフランスらしく、「中国の」はいかにも中国らしいのです。

 いずれも染色や伝統工芸品の色として古くから使われてきた色なのでしょう。
 では、その染色、工芸品の色とその名前はどこから来たのでしょう。動物や植物に由来する名前もあれば、染料の名前もあるようです。また、時代的にも、万葉の時代から江戸の時代、さらには明治期の発祥のものまで、幅があるようです。
 たとえば、私たちは「茜色」と聞くと、「夕暮れ時の空の色」をすぐ思い浮かべますが、空の色に「茜色」と名付けられたのではなく、赤い根っこを持つアカネという植物の名前の方が先にあったようです(不確か)。アカネは、染料植物でもあり、染料として取り出される色と空の色が似ていた。それで「茜色の空」というような形容が成り立つようになったのでしょう。でも、「茜」という文字は「草冠」に「西」。なんか、夕焼けを連想させる文字ですよね。ん?、どっちが先だったんだろう??

 「色の万華鏡」というサイトには、「色の日本史」というコラムがあり、古代から現代まで、色にまつわる雑学が紹介されていて、とても興味深いです。

 それにしても、古き日本の色名をつぶやくと、詩人(歌人?)のような気分に浸れるのはなぜでしょう。
 茜色(あかねいろ)
 紫苑色(しおんいろ)
 鳶色(とびいろ)
 浅葱色(あさぎいろ)
 亜麻色(あまいろ)
 朽葉色(くちばいろ)
 萌黄色(もえぎいろ)
 いずれも、とても優雅な響きのある言葉ですね。

 ついでに、「伊達」とか、「侘」「寂」とか、「鯔背」とか、「野暮」とか、そうした言葉の奥深さにも想いを馳せてしまいます。

 「日本」「美意識」で検索したら、こんなサイトが出て来ました。
 「nextmaruni」
 「微、並、気、間、秘、素、仮、破」というキーワードから、日本の美意識について、ひも解いていています。ワタシは「5. 隠すことで華麗にみえる/ “秘”」に共感しました。「美や感動の表現は主張することではなくそれを受け止める人のこころの中に生まれるように企てることだと考えている」という一節に。

 さて、今日は金曜日。週が開けると、いよいよシルバーウィーク気分でもいられません。鳩山さんもがんばっているようだし、ワタシもがんばろっと!
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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