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3パック80円以下の納豆問題から考えた、デフレ問題とその対策

 この前会った友だちが、今のデフレを嘆いて、納豆の価格を例に挙げて、こんなことを言っていました。話を要約すると…。
 「納豆3パックを80円で売っていた。納豆ほど健康に良い食品が、1パックで30円もしないで売られるとは、いかがなものか。30円以下で売っては、利益なんてほとんどないだろう。それを作っている人たちの生活はどうなるのか。1円でも安く買いたい心理は誰にでもあるが、そういう消費行動は、やがて自分に返ってくる。マスコミも、誰もが1円でも安いモノを選んでいるような報道をしているが、たとえば、いくら安くても、自分の周りで残留農薬がありそうな商品を買っている人は少ない。モノの価値をちゃんと測らない消費行動をとって、みんなが破綻する方向に向かっているような今の流れはおかしい」

 同感。それで、納豆の値段が気になって、サイトで「納豆」「最安値」で検索したら、今年の5月、吉祥寺のあるスーパーで67円で売られていて、さらにビックリ。

 ユニクロやニトリ、さらにはPBを展開する大手流通など、価格訴求戦略を取って競争に打ち勝っている企業の動きが目立ちますが、こうした経済の動きはいわば二大政党ならぬ二大企業路線を歩んでいると言っても過言ではないと思います。1業種2社。他の会社は淘汰されるか、かろうじて超大型企業のグループの傘下に入る。

 この流れ、なんか、こう、ひっかりませんか? ワタシは大いにひっかかります。誰かが勝っているときは、その影で必ず誰かが泣いているってこと、忘れちゃっているな、と。トランプでもゴルフでも麻雀でもそうですよ。ゲームならいいですけど、社会では誰かの生活がかかっている。
 確かに自由主義経済では、当然の原理なのですが、どうも共感できません。共感の問題だけでなく、それは必ず自分に返ってくるということに、みんな目を向けるべきだと思いますが、今のところそうなっていませんね。その原理を打ち砕く方法はないのでしょうか。

 ワタシの知恵では到底おぼつきませんが、当社の親会社がビデオ制作のアウトソース先の選定に際して見積もりコンペを開いた際に『「最高値」と「最安値」の企業は採用しない』というルールを設けたことがあります。
 別にこれは、価格競争の原理をなんとかしようという発想から生まれたものではないと思いますが、これは1つの知恵ですね。少なくても「良いもの」が価格だけの競争で負けないで済む。
 そんな発想を応用すると、価格競争力のない企業にもチャンスがあるし、一億総デフレ・スパイラルから脱却できます。これは法制化は不可能ですが、世論形成はできる可能性があります。

 自分だけが勝てばいいという発想は、なんかこう「サブプライムローン」での金融関係者の間に渦巻いていた「勝てば官軍」に近いものを感じます。ですが、このような議論で難しい点は、安売りには「1円でも安くするのはお客様のため」という大義名分があることです。本当は、過度な安売り競争は、巡り巡って来るので、消費者のためにならないのに。
 だからこそ、そういう経営に対して、そんなことを続けて行くと企業イメージがが下がるという世論によって、警鐘を鳴らすことはできないでしょうか。納豆の問題から、そんなことを考えました。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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