NHK大河ドラマ「天地人」- 絆と理念
今年の初めからずっと観続けてきたNHK大河ドラマ「天地人」も、いよいよあと3回。11月22日で最終回になります。
「義」とは? 「愛」とは?というような哲学的なテーマもさることながら、心優しくも泣き虫だった兼続が大人物に成長する過程や、妻であったお船、兼続の主君であった上杉謙信、上杉景勝、親友であった石田三成等、登場人物のキャラクター的な魅力に引き込まれ、毎回感動して観てきました。あと3回で終わってしまうと思うと、ちょっと残念な気分です。
いろいろと考えさせられることの多かったこのドラマですが、やはり一番心を打たれたのは、上に立つ人が貫き通そうとする「理念」と、縦横関係なく描かれていた「絆」かもしれません。
11月1日(日)の放映で、「絆とは自分が相手のために何をできるかと思い続けること」と、お船が娘であるお松に教える言葉と、伊達政宗が米沢について兼続に語った「小さいながら、この地は一つの天下をなしている」という言葉が印象的でした。
ドラマでの「絆」は、兼続と主君・景勝の間にもありましたし、兼続と朋友たちの間、お船やその子どもたちとの間にもありました。特に、「義」という一見カスミのようなことを掲げつつも、サムライ自ら田畑を耕すという合理的目的主義を仲間と共有しながらの行動は、絆という観点からも、行動基準という観点からも、感心するものがありました。
また、伊達政宗の言葉「天下」が意味するのは、「天下とは支配ではない」ということ。それを、兼続を含め、当時、わかっている人たちはわかっており、それこそが政治的理念であり、統治者としての理念なのですが、かといって、「天下イコール支配ではないとして、では何なのか?」については意見がいろいろあって、だからこそ誰側につくのか、という政治的判断が分かれていたのだと思います。
「理念」を重んじ、「絆」を重んじた直江兼続の生き方は、経営者ごころに刺激を与えてくれるものが多々ありました。
でもねぇ、なぜか私の周りで「天地人」を観ている人があまり多くありません。大河ドラマ通のM君、ぜひ語り合いたいです!