社会構造の変化に負けないためには、変化の直視は避けられません
こんにちは。オノです。週末は、いかがお過ごしでしたか。ワタシは、あちこちのネット通販サイトで購入したものが、週末一気に届き、段ボールの整理やら何やらで、あまりゆっくりくつろげる休みではありませんでした。その中には、ちょっと感動した商品もあったので、おすすめしたいところですが、それはまた後日。
最近、いろいろな人と経済情勢について話す中で「社会構造の変化」ということが、よく話題に上ります。多少、会話する相手によって話の切り口は違いますが、共通するのは、「リーマンショック以降、100年に一度の世界的な不景気に陥っている」というようなことだけでは語りきれない変化の中にある、という認識です。
人口構造の変化、地球温暖化の影響、クラウドコンピューティングなどネットワーク技術の発達による変化。社会が想像以上に早いスピードで変わっていくと感じられ、ちょっと焦ります。特に既存のビジネスモデルが、果たして今後そのまま残っていくのかどうか、それさえ予測がつかないのですから、いやはや。でも、予測できないなら、できないらしく、残らないことをシミュレーションする必要があります。
最も変化が顕著な事例のひとつは、自動車産業かもしれません。トヨタや本田のハイブリッドにおける技術は確かに現時点では世界のトップレベルにあると思いますが、電気自動車へのシフトを考えるとまったくもって安泰とは言えない状況です。
中国は国家戦略として、アメリカはシリコンバレーが後押しする形で、日本以上に早いスピードで電気自動車へのシフトを進めているとそうです。バッテリーの生産に欠かせないリチウムを豊富に持つ中国は、リチウムを使った製品の輸出はOK、リチウム自体の輸出は禁止という方針だ聞いています。
世界がそんな状況であるにもかかわらず、日本の企業は守るのが精一杯になっています(他社ごとではありません)。金曜日に、食事をご一緒したイニシアコンサルティングの丹生さんの受け売りですが、40年前、これからはバイクだという時代に、日本にバイク関連企業は300社存在していたそうです。そして、20年前、ロボット関連企業がやはり300社あったのだとか。そのくらい当時の日本にはまだまだベンチャー魂のようなものがあったわけです。ところが、今、電気自動車に取り組む企業の数はどれだけあるのでしょうか。
グローバル化の波もじわじわと押し寄せてきていますね。コールセンターがインドにあるとか、オフショアでプログラム開発するなどということは既に知られていることですが、グローバル化が進むと、ビジネス構造も当然変わります。私たちの業界はまだまだ先だろうなどと思っていると、とんだ間違いでしょう。現に、当社にさえ、中国やインドはもちろん、ベトナムからもセールスのメールが届きますし。
「こんな時代に日本の企業が生き残るには、グルメ指向しかない、しかも、お客様は神様型ではダメ」というのが 丹生さんの意見でした。ここでいうグルメ指向というのは高付加価値、「お客様は神様型ではない」というのはプロダクトアウトとも言えますし、提案性の高さということだとも言えるでしょう。たとえていうなら、ユニクロのようなことだと思います。
日本の企業が負けない強さを身につけていくためにも、私たち消費者はもっと高い要求を企業に対して行っていく必要があるのかもしれません。同朋企業への愛のムチとして。
高付加価値という方向性で価値を高めるのか、別の方向性で価値を高めるのかはそれぞれの企業の判断によって異なるかもしれませんが、この時代に、企業価値を再定義することは多くの企業にとって、必須だと感じます。足下を固めるというのでしょうか。反対に、一番良くないのは、足下を固めずに、変化自体を直視せず、目先の数字を追い急ぐことです。この先、何十年か、生き残るためという視点でモノを考える時代。それを考えることも、そういった発想の必要性を社内に伝えることも経営の責務ですよね。
がんばれニッポン、がんばれ自分。。。