gooリサーチ調査より - ブランド訴求は今後の課題?
こんにちは。グラスルーツ小野です。
gooリサーチで『「これからのIR活動の方向性」に関するアンケート調査』を実施し、先月10日にその結果が発表されたのですが、興味深い点がありましたので、ご紹介します。
IR活動を通して、投資家に効果的に伝わっていると認識されている項目がある一方で、伝わっていないと思われる項目が挙げられていました。伝わっていない項目を一言で言えば、「無形資産」ということなのですが、無形資産の中でも特に重視されていたのが、1位「ブランドや暖簾(のれん)や伝統」(52.2%)でした。
「無形資産を効果的に投資家に伝えるうえでの課題」として第1位の「無形資産より決算説明を重視するアナリスト、投資家の姿勢」(46.4%)に次いで多かったのは「経営者が無形資産に対して関心が低い」(33.7%)でした。
ここでは「無形資産=ブランド」の意とは置き換えられませんが、仕事をしていての実感としては、「ブランディング」という言葉が浸透するなど、ブランドという無形資産の価値への認識はここ数年大分高まってきたと感じる一方、確かに「重用視は当然」というレベルには至っていないと感じます。
ブランド戦略は、経営戦略の重要なキーのはずですが、おそらく未だに「ブランド力」イコール「イメージ」といった程度の認識の経営者も、まだまだ多いのかもしれません。
明るい材料としては「いわゆる無形資産について、貴社ではどういった無形資産が重要とお考えですか」という問いに対して、「ブランドや暖簾や伝統」という回答が第1位(52.2%)だった点です。
さて、ブランド訴求を巡っては大きく分けて、3つの課題があります。
1)提供価値をどのような概念で規定するか
2)規定された価値を社内でどう意識共有し、自覚するか
3)対外的にどう発信すると伝わるか
私たちグラスルーツは、1から3のいずれにも取り組んでいますが、中でも最近重要だと感じるのは2番です。いわゆる社内コミュニケーションの問題とも言えますし、企業のチーム化という課題とも言えます。
経営者がブランドに真剣になりにくい理由は、早く成果に辿り着きたいという思いが強いからのような気がします。ブランディングはカンフル剤ではなく、体質改善のようなものですから、気が短い経営者にとっては気が遠くなります。でも、急がば回れ。今、足場を固めた企業が、その先10年、20年と生き延びられる。特に2番を達成することは、短期成果においても不可欠だと思います。
ワタシは、力があるのに、埋もれてしまって、光れていない企業はもったいないので、そういったお手伝いをしたいと思ってやってきました。また最近は立派な何かを持っているのに、社員の方たちがそこに気づけていない状態はさらにもったいないと感じます。光れるのに光っていない。そんな「もったいない」をなくしたい。それこそが、ワタシたちのモチベーションだといっても過言ではないかもしれません。