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「アバター」と「アリス・イン・ワンダーランド」。期待は人の評価を左右する

インビクタス/負けざる者たち ブルーレイ&DVDセット ゴールデンウィークは終わったものの、あと2日休暇を取って連休にしている方やまだ会社自体がお休みという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。今日は木曜日ですし、出勤していても馬力がかかりにくいのも事実。(ということを言い訳にして)今日は軽い話題を。

 ゴールデンウィーク中に2つの映画を観ました。1つはDVDで「アバター」を、もう1つは現在上映中の「アリス・イン・ワンダーランド」です。ご存知の通り、前者はジェームズ・キャメロン監督作品で、アカデミー賞で9部門にノミネートされながらも最終的には「ハート・ロッカー」に大半の賞をさらわれてしまったことで話題となった作品。後者は、ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演で、原作はルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」です。予め計画してGW中にこの2作品を観ようと思っていたわけではないので、ここで2作品を比較するのも変な話ですが、観る前に抱いていた「期待」と事後に抱く「感想」との関係に、改めてふむふむと思ったので、比較して書こうと思います。

 結論から書くと、「アバター」の方が良かったのです。実は、「アバター」はそれほど期待して観たわけではありませんでした。観た理由は、上に書いた通り、アカデミー賞で話題になったからにほかならず、予告編で観た青い異星人にも、「アバター」というタイトルにも、あまり興味は持ちませんでした。でも、断じてSF嫌いではありません。ただ同じSF、同じCGでもあまりゲーム的な表現は好きでないという好みはあって、どちらかといえばそんな先入観があったのかもしれません。でも、蓋を開けてびっくりの世界観で描かれていて、大いに引き込まれました。
 一方の「アリス・イン・ワンダーランド」は、ティム・バートンもジョニー・デップも好きだから観に行ったという感じ。二人のコンビで作られてきたこれまでの映画の流れで、これまで以上のものが観られるといいなという期待感がありました。ところがオーディエンスは勝手なもの。映画がおもしろかったかどうかもさることながら、期待以上であったかどうかでも評価してしまうのですね。映画自体は、とてもおもしろくできていました。ことさらにティム・バートンファンでもなければ、ジョニー・デップファンでもないなら、大満足してもおかしくない類いの映画だと思います。でも、なまじティム・バートンらしい毒のおもしろさに魅せられていると、それがちょっとでも物足りないと手放しで褒めちぎれないのです。

 ここに人の「評価」というもののコワさがありますね。不満だったわけではない、でも期待以上でもなかった、という。実は、仕事でも同じようなことがあるのだろうと思い、ちょっと神妙な気分になりました。期待されていないとき、ちょっとしたことでも相手は新鮮に受け止めてくれますが、期待される関係になるとハードルはどんどん高くなっていき、以前なら期待以上と思ってもらえても、だんだんと当然のことになる。自分たちがつくったハードルは自分たちで乗り越えなければいけないのですが、ともすると前のハードルと同じ高さを超えたことで自分たちだけ満足し、相手はもはや満足しないということが起きやすくなります。本来比較対象ではない2作品を観ながら、ちょっと我が身を振り返りました。

 さて、だからといって、「アリス・イン・ワンダーランド」がおすすめできないわけではありません。ややディズニーチックに偏った感はありますが、それはワタシの微妙な好みの問題であって、十分堪能できる映画ですし、お世辞ヌキにおすすめしたい映画です。でも、ここでは深追いせず、むしろ「アバター」の感想について、少しだけ深堀りさせてください。

 「アバター」のわかりやすいメッセージは、アンチ自然破壊的なものだと言えます。でも、もうひとつ押し進めると宇宙の神秘というようなメッセージをワタシは感じました。映画の中では「自然との調和」というコトバで語られていましたが、人知を越えた何かが宇宙にはあるということを語っていたのだと思います。
 個人的にはそこに共感しました。「人知を越えた何か」という文脈に。たとえば、地球に暮らしていると、少なくてもワタシたちには上と下という感覚があります。頭がある方が上。足がある方が下です。でも、宇宙という視点でいったら、上も下もないのです。地球についての表現でも、北が上と決めたのは、人間が決めただけであって、本来、東西南北のどこにも上下がない。上も下もない空間が存在していること。それだけで人知を越えていますよね。同じように考えれば、人間が優れていて他の生物が劣っていると考えるのが間違えであることは感覚的にわかります。

 それほどまでに感銘を受けた「アバター」ですが、敢て作品として難をつけるとするなら、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」を連想させすぎて、その分オリジナリティがなかったことでしょうか。もういちど「ナウシカ」を観たくなりました。

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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