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日本人は「Define yourself能力」が足りない?

 こんにちは、小野です。

 CAREERZINEで、日本人は「Define yourself」能力が足りないというインタビュー記事を目にしました。日・中・米企業で人事に携わった経験を持つTim McIntoshさんの指摘です。ヘッドハンターがスカウトする際に重視するのは、「Define yourself」。自分自身を定義できているかどうかなのだそうです。自分が誰で、何ができて、何をやりたい人なのか、McIntoshさんは「あなた自身のラベルをシンプルに示すこと」だとしています。以下、引用です。

日本人は、この能力が弱い人が多いように感じます。自分自身のことをきちんとプレゼンする能力、つまり自己主張が弱いため、グローバルスタンダードから見ても、損をしているように感じます。自分がどういう人間なのかを主体的に考えて伝える能力が、今後ますます、グローバル化が進むビジネス界では重要になるはずです。

 おっしゃる通り。その重要性については同感です。
 控えめが美徳という日本的な精神文化とも関係しているのか、ストレートに自分をアピールできる日本人は多くないように感じます。
 一方で、控えめだからというよりも、自我を確立できている人が少ないという見方もできるのかもしれません。そういえば、私も20代の前半、10歳以上年上の人から「自我に目覚めていない」と指摘されたことがあります。当時は、その意味さえもわかりませんでした。
 今は自己再定義中です(笑)
 私がここでいう自我の確立とは、フロイト的な意味で言っているのではなく、自分(長所も短所も)を認識して他者との違いについて居直り、願望は願望として認識したらクチに出す、というようなことです。もちろん欠点についてはただ居直っていれば良いというわけではありませんが、人からどう思われるかといった他人軸でものを考えるのではなく、自分軸でものを考えられる状態を言っています。
 ですから、自意識と自我は違います。自意識が強い人は多いのに、自我が確立できている人は少ない。自我が確立できれば、人の価値観に左右されなくなります。自分を受け入れて居直れないのは、「人と同じでいないと不安」という日本的社会とも関係しているのかもしれません。

 著作は読んだことがありませんが、アメリカの組織心理学者であるE・H・シャイン博士という人もキャリア・アンカー(仕事経験から作られる自己像)という言葉で自己定義について同じようなことを述べているようです。人は、25歳から30歳ぐらいまでの間に、キャリアを選択するときに譲歩できない価値観や欲求から「自己像」(セルフ・イメージ)を形成するそうです。その柱となるのは、自分のコンピテンシー、モチベーション、バリューという3要素なのだとか。達成へ向けた能力特性、意欲の源や動機、価値観ということでしょうね。

 実際、私たちは自分の自己像について毎日毎日考えることはありません。でも、人間は、自分が抱く自己像に合わせて無意識にいろいろな態度を取っています。そして、その態度や立ち振る舞いで、他者の中で自分のイメージが決まっていきます。
 他者が自分に抱くイメージはコントロールできないけれど、自分が自分に抱くイメージはコントロール可能ですから、自分を定義づけるために自分と向き合うことは、重要です。あ、この話、何かと似ていると思ったら、企業のブランディングでした。本質は同じなのですね。
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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