「もしドラ」が100万部を突破と聞き、今さらですが読んでみました!
こんにちは。
少し前に「もしドラ」こと「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社刊)が100万部を突破したと聞き、当社の社員Oさんも面白かったと勧めてくれたので、今さらですが読んでみました。
ビジネス書の新ジャンルの誕生とでもいうべきか、読んでみてウケた理由がわかりました。ビジネス書なのに、最後には涙が出ました。
この本の特徴は、ドラッカーの『マネジメント』をただ平易に解説するのではなく、本のタイトル通り女子高校生を主人公にした小説に仕立てた点にあります。舞台は野球部。登場人物それぞれに屈折した思いがあり、それをキャラクターとして上手に使いながら、気持ちが変化していく模様をストーリーとして巧みに仕上げていて、エンターテイメントとしても楽しめました。
もちろん、文学とは目的が違うので、同じ土俵で比較することはできませんし、エンターテイメントとして読んだら、筋書きの予想がついてしまうのですが、それがわかっていても涙が出たので、大成功だと思います。
そして、こうも言えないでしょうか? ドラッカーの書いた『マネジメント』の本質は、現実の組織で起きていることそのものであって、ドラッカーは一見するとビジネスをテーマにしているように見えるけれど、実は人間を観察し、人間について論じていたのではないか、と。
一番印象に残ったのは、冒頭。『マネジメント』から、マネージャーの資質に関する引用でした。
人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だが、それだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである
こういった文章に出会うと、思わず、自分の胸に手を当てて、自問させられますね。自分なりに真摯にやってきたつもりでも、ドラッカーさんからは「まだまだやぞー」と言われる気がします。
ダイヤモンドは、この本が売れたお陰で、ドラッカーの「マネジメント」の方も売れ出しているそうです。企画勝ちです。
実際、帯にも書いてあるように、この本は「すべての組織で役立つ本」と言えるかもしれません。ただし、現実はこんなふうにドラマチックにはいきませんけど。
さて、先週は長引いていた夏風邪がぶり返し、社の内外のみなさんにご迷惑をかけてしまいました。冷房が好きではないので普段はあまりかけないのですが、さすがに暑くて眠れないからと使ったのがアダになりました。どうぞ皆様もお気をつけください。ではまた