[2011.03.21]
負の感情の連鎖に陥らないために「まずは目線を上げてみる!」
FBIの女性捜査官が主人公の「FRINGE/フリンジ」という海外ドラマがあります。ワタシは、3連休に初めてこの番組を観ました。タイトルは、「フリンジ・サイエンス」、つまり非主流派科学という言葉から付けられているようで、ワタシが見た回のストーリーも、DNA実験によって特殊な能力を持つことになってしまった男が望まずに犯罪者になってしまうという内容でした。特殊な能力とは、感染とたとえてもいいほど強い影響力を持つ彼の負の感情(怒りや絶望)によって、その感情に触れた人たちが自ら死を選んでしまう、そんな力です。
ワタシは、地震や原発によって起きている今の現実から少し離れたくて、このドラマを観ていたのですが、結局は現実と結びつけて観る結果となりました。(ドラマの本筋とはまったく関係ありませんが)。
ワタシが、ひっかかりを感じたのは、負の感情は連鎖するということ。DNA実験の被験者でなくても、ワタシたちの感情は互いに影響し合います。誰かが醸し出す雰囲気に周りの人は少なからず影響を受けるのです。
たとえば、セミナーを開催してワタシが話をしているときに、雰囲気のいい回と、イマイチだったなと思う回というのがあるのですが、イマイチだと思う回には大抵の場合、共通点があります。苦みばしった顔というのか、こわばった顔をしている人が一人いるのです。それがワタシに伝わると、たとえば「つまらないのかな?」などと思う気持ちが場に現れて、こちらも乗り切れずにセミナーが終わってしまうことがあります。反対に、うなずいてくれたり、笑ってまでくれないまでも、柔らかな表情を見せてくれていると、こちらも乗って話ができて、アンケートも好評な内容で返ってきます。
これを地震とどう結びつけて考えたかというと…。
停電や交通、物不足などの影響はあるものの、家族や家を失うほどの大きな被害に遭わなかったワタシたちが、節電、寄付に続いて日本の復興のためにやるべきこと、それは一人ひとりが少しでも明るい空気を醸し出すことではないでしょうか。
昔から、「笑う門には福来る」と言いますが、あれは本当ですよね。ビジネスも、悪いことを考えていると悪いことが起きますし、良いことを考えていると良いことが起きます。
負の感情の連鎖に陥らないことは日本の復興に不可欠だと思うと、最低限、個々の人たちが負の空気をまき散らさないように努めることが重要なのではないでしょうか。
とかく「こんな時だから」というムードに流されがちですが、ユーモアが得意な人はより一層発揮したらいいし、そんなに高度なことでなくても、うつむかずに姿勢を正すとか、元気におはようと言うとか、眉間にシワを寄せていないかセルフチェックするとか、いつもより少しムダ話を増やすとか、そんな小さなことで自分の周りの空気が変わると思いませんか? それでなくても、子どもが1日500回笑うのに対して、大人は20回しか笑わないそうだから。
節電も、寄付も、重要ですが、いつもより少し意識して、姿勢を正して目線を上げてみるというのも、立派な貢献だと思いますが、いかがでしょうか? 負(陰)ではなく、正(陽)の感情を連鎖させたいものですね。