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新社会人に向けて「勉強のススメ」

 

こんにちは、小野です。
 
■4月なのでワタシ流「勉強のススメ」
 
 震災で落ち着かない日々を送りながら、期首を迎えた企業や、入社して新社会人になった方たちも多いことでしょう。3月決算の当社も、新たな期を迎え、今月はスタッフとの面談などを行いました。今期、ワタシが社内に向かって強調したのは、「再勉強」です。
 ワタシの本音と今回強調した「再勉強」は、実は若干矛盾しています。というのは、仕事を通じて、私たちが成長することが多いのは確かですが、仕事から学ぶのは結果論であって、仕事で期待されるのは本来パフォーマンス(成果)です。ですから、社長であるワタシが言うべきことは、「パフォーマンス」についてであるべきでしょう。会社は学校ではない。厳しいですが、これがワタシの本音ですし、どの企業も多かれ少なかれ同じだ思います。
 それでも、敢えて「再勉強」を訴えた理由。それについて、今年、新社会人になった方に向けて、書きたいと思います。「学問のススメ」ではなく、ワタシ流「勉強のススメ」です。
 
 ワタシは、「この人はできるな」と思う人で勉強していない人を見たことがありません。かといって、勉強している人がすべて優秀なわけでもありません。中には知識をひけらかすだけで、実行力のない評論家的な社会人もいます。
 でも、少なくても、成長したい、貢献したいと思う人ほど、自ら勉強していますし、勉強している人というのは話していて楽しいのです。ワタシより、一回りも二回りも若くてさえ、楽しいです。そういう人とは、進んで仕事をしたいと思えます。
 それは、なぜでしょう。それは、自分が吸収したことに基づく自分なりの意見や考察、そこからさらに考えて出て来る迷いや疑問、そういったものに基づいて会話ができるからではないかと思います。迷いや疑問も含めて、それは「あなた」の「考え」です。人は考えを持っている人に一目置きます。それによって、存在感が高まります。年上だろうと、年下だろうと、「考え」は人を刺激し、だから相手に楽しいと感じさせる。そういうことなのではないでしょうか。
 
■何を勉強するか? 竹中平蔵さん式マトリクス
 
 竹中平蔵さんは、勉強というものを2つの軸(2×2)で考えようと言っています。1つは「目的」軸。もう1つは、「天井」軸(到達点があるか/ないか)です。
 縦の「目的」軸を、竹中さんは「武器」と「人間力」の2つに分けています。
 「武器」というのは、仕事に直結していて、仕事で自分の価値を高めるためということでしょう。金融マンがさらに金融の勉強をする、旅行会社の社員が中国語を勉強するというような類いのことです。竹中さんの言葉を引用すると「人生を戦いぬく武器としての勉強」だそうです。(人と競争する武器という意味だとすると、幸福論的に多少違和感はありますが、競争社会であるのも事実なので、ここは紹介するに止めます)。
 一方、同じく縦軸(目的軸)の「人間力」。竹中さんはこれを「人と人を結びつける知」としています。仕事上の利益とは必ずしも直結しないけれど、好奇心を満たし、人生を豊かにしてくれる勉強です。
 横の「天井」軸は、ゴールの有無。たとえば資格を取る、試験で何点以上取るというような勉強はゴールのある勉強ですが、ゴールのない勉強の方がむしろ多いですよね。
 つまり、縦軸に目的(武器/人間力)、横軸に天井(有/無)として、2×2のマトリクスをつくります。このマトリクスの中で自分が何を勉強したいのか、何が優先なのか、考えることを勧めています。
 
 通常、会社が社員に最初に求めるのは、「武器」となる勉強でしょうが、最近は、ワークライフバランスが謳われているように、「人間力」を高める勉強も必要だという認識が高まっています。
 
 ワタシは、目的軸、すなわち竹中さんのいうところの「武器/人間力」は、仕事をするのはお金のためという価値観以外の人にとっては、実は2分しにくく、発揮されるチカラも相互に関連し合っているのではないかと思っています。仕事での武器力を高めることは人の人間力を高め、人間力が高まれば武器力も高まるというような関係性です。けれど、相互にきれいな正比例ではないのですね。たとえば、武器力が1から2になり倍になったからといって、人間力はせいぜい1から1.05ぐらい。反対に、人間力が1から2になったからといって、武器力は1から1.05ぐらい。そんな関係なのではないでしょうか。
 
■するも、しないも、自分次第の大人生活
 
 学生時代の勉強は「卒業すること」が目的化されがちです。しかし、大人になると勉強するもしないも自分次第。また、同じように勉強するにしても、目的の置き方も自分次第です。
 目的を定めるときに、「人から評価されたいため」「昇進するため」というのも否定はしませんが、どうせなら自分なりの志をもって「志を全うするため」と思えたら、理想ですね。たとえそうでなくても、「人から評価されたい」というより「人に貢献したい」と思えたら、より大きな人間になれるように思います。
 
 大人になってからの勉強では「主体性」が問われます。ですから、ワタシもスタッフに対して「○○を勉強しなさい」とも「こうやって勉強しなさい」とも決して言いません。主題のヒントは提供しても、自分で決めて自分で実行しなければ意味がありません。学校ではないから、です。強いていえば、1年経ったときに、多少なりとも達成感を味わえるような工夫をすることを勧めますが。
 
 最後に、ワタシが社内に向けて敢えて「パフォーマンス」を言わず、「再勉強」を言ったその理由は…。「勉強なくして、パフォーマンスなし」だからです。最初にも書きましたが、勉強したからパフォーマンスが上がるわけではありませんが、勉強せずしてパフォーマンスは決して上がらない。それがわかっているから敢えて「パフォーマンス」と言わず、「再勉強」をメッセージにしました。
 エラそうに書きましたが、ワタシが社会人1年目のとき、「パフォーマンス」も「勉強」も考えていませんでした。何をやりたいのか、何を成し遂げたいのかも、よくわかりませんでした。でも、人生は短いです。答えを見つけていない人は見つけるために、見つけている人は達成するために、勉強することを勧めます。
 
 4月は、いろいろな意味で、人をリセットさせる良い季節です。ワタシも心機一転、勉強し、チャレンジを続けたいと思います。
ではまた
 

ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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