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中途半端ではない、本物のプロダクトアウトが求められている?

こんにちは。

NHKスペシャルで「中国人ボスがやってきた。密着レナウンの400日」を観ました。企業にとって中心的マーケットが変わっていく中で、中国資本にM&Aされた企業で今何が起こっているのかを感じ取ることができ、いろいろと考えさえせられました。中でも一番の感想は「中途半端なプロダクトアウトはダメだな」ということでした。と、書いても、端折りすぎで、意味不明ですよね。簡単に感想をまとめました。

M&Aを「した側」と「された側」で、いま何がぶつかっているのか?

レナウンの筆頭株主は、中国の企業です。40億円の出資で、レナウンを倒産から救い筆頭株主になったその中国企業は、
・「スピーディな変革」を求め、
・中国マーケットの「ニーズに応えること」を求めます。

出店計画にしても、ファッションのメッカ(一等地の高級百貨店等)からスタートして、メジャー化を経て多店舗展開するのが定石であると考えるレナウンに対して、それではなかなか出店できないとして地方都市「大連」からのスタートを主導する中国企業との間で、レナウン側は葛藤していました。
また番組では、日本特有の価値観で「こんなデザインでいきたい」と考えるレナウンの日本本社と現地でウケるデザインを求める相手企業との間に立ち、中国人ボスの要望を聞かないわけにはいかない日本人の苦悩が描かれていました。その苦悩の背景にあるのは、多分、ファッション上級者から見た「それやっちゃ、ダサイんじゃないの?」という意識なのだと思います。

こうした日本企業の反応とは違って、韓国のアパレル企業はどん欲に中国マーケットの要望を吸収し、応えようという姿勢を見せていました。「売れるものを作ること、イコールお客様の要望に応えること」ということなのでしょう。

「これまでこうだったから」という発想をどう断ち切るか

そんな番組の流れを見ながら、思いました。結局、中途半端なプロダクトアウトでは、グローバルマーケットは切り開けないな、と。加えて、既に言われ尽くされたことではありますが、改めて、定石だといわれてきたものにしがみついていたのではイノベーションはありえないな、とも思いました。

「中途半端なプロダクトアウト」と一刀両断に書きましたが、いったいどのようなことなのでしょうか。
まずは信念の問題です。レナウンには「なぜ、このデザインでなければならないのか」という信念のようなものが見られませんでした。かつて日本が成功したのは、ある意味、「不遜にもいいものはいい」という態度を貫けたからではないかと思います。それは「プロダクトアウト」の原点だろうと思います。
もう1点感じたのは、過去の成功体験に基づく発想から脱皮できないようではプロダクトアウトとはいえないという点です。そもそもメジャー立地から全国へ広げていくということが今でも本当に定石なのか、レナウンの発想には素人ながらに疑問を持ちました。ユニクロの開発手法でその定石は打ち破られたというのが、ワタシの認識だからです。

ユーザの要望に応えようとするよりも、ユーザのまだ顕在化していない欲求に応えることをプロダクトアウトと呼ぶのだとすると、相当に強烈で斬新な考え方で人をひきつけないと、「上から目線」のただの「エエカッコしい」な感じになってしまいます。

番組の印象では、レナウンは今、プライドと自信のなさが拮抗していて、それが表に出てしまっている(ま、無理もありませんが)印象でした。なぜそうなってしまうのかといえば、プライドの軸にあるものが弱いからなのだろうと思います。「信念/理念」に裏付けされておらず、過去の「実績」だけに頼ってしまった結果のように見えました。

この事例に見られるように、日本の企業の中には本来素晴らしいものを持っているのに、自信喪失に陥っている企業が少なくないように思いました。信念をもって「プロダクトアウト」するか、勝つことを優先し、中途半端なプライドを捨てて「マーケットイン」するか、その潔さが問われているような気がします。

いずれにせよ、中途半端はやめたいですね。
中途半端にならないようにするにはどうしたらいいか、そこは考えどころです。私たちも、その視点でできる支援を考えます。
頑張ろう、ニッポン企業!

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ブログを書いている人

小野真由美

グラスルーツの代表。組織をただの集団ではなく、チームにするための組織内コミュニケーションはどうあるべきだろう?…なんていうことを、いつもツラツラ考えています。ブランディングやコミュニケーション、チームやリーダシップ系の話題が7〜8割、その他の話題が2〜3割。そんなブログを目指します。ぜひおつきあいください。

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