[2011.11.21]
環境が人を変える!?
街の風景にも、仕事の忙しさにも、年末の気配が漂い始めています。お元気ですか?
今日は、先週1週間の間に見聞きしたことが、ワタシの頭を「環境モード」にしたので、それについて書きます。「環境」といっても、「エコ」についてではありません。
先週は、水曜日にコクヨさんの展示会に招かれ、金曜日には日経BP主催による河合薫さんのセミナーに行ってきました。両者のテーマはまったく違うものでしたが、「環境」という視点で見ると、共通点があって、頭の整理になりました。
空間的環境が人を変える
まず、コクヨさんのフェアのテーマは『ECO+CREATIVE 3.0 〜繋がる・創る・学ぶ場〜』でした。ただ単に「CREATIVE」を謳って、デザインチックなオフィス家具が紹介されているのだろうと思っては、大間違い。コミュニケーションやクリエイティビティを活性化させるオフィスのあり方が提案されていました。中でも、特にいいなと思った考え方は、'HARMONii'と呼ばれるこのスタイルです。
このスタイルは、6人から8人ぐらいのプロジェクトメンバーがスピード感を持って仕事をするのに適していそうです。
写真だけ見ると、サークル型の形状が単に奇をてらっているようにも見えるかもしれません。でも、以前、NHKの「スタンフォード白熱教室」という番組で、環境が人の発想に与える影響についての実験的な授業を紹介していたことをふと思い出しました。テーブルに固定された環境では縄張り意識を生んだり、既存の概念に固執しがちになるのに対し、テーブルのない椅子だけの環境では人は場所に縛られずにコミュニケーションし、柔軟な発想が湧いてくるということがドキュメンタリーで描かれていました。
コクヨでは、フリーアドレスの良い面を残しながらデメリットを克服するようなファニチャーや、コラボに適した空間、さらには人の創造性を活性化させるような空間を研究し提案しているようです。
恵まれない環境だと創造が生まれないということはない。でも、環境に恵まれれば、人はより創造的になれる。環境、おそるべし、ですね。
組織的環境が人を変える
続いて、河合薫さんのセミナーの内容はこちらです。日経ビジネスオンライン『上司と部下の力学』の連載で人気のある河合さんのセミナーテーマは「活気ある会社を作るリーダー術」。これだけ聞くと、ありがちな感じがしますよね。河合さんの主張は、心理学のアプローチでは自分が強くなることを目指すが、健康社会学はそうではないとし、身体が辛くても達成感のある残業もあれば、身も心もすり減ってしまう残業もあるように、置かれた環境で人は変わるので、だからこそ、リーダーは環境をどう作るかが大事であるというものでした。
河合さんがポイントとしていたのは、次の3点です。
有意味感-ひとつひとつの仕事の意味を感じているか?
把握可能感-困難やストレスの状況が把握できているか?
処理可能感-君ならできる!と動機付けしているか?
ストレスをなくそうと考えるのではなく、ストレスに勝る喜びを生み出すことの方が重要という視点は、新鮮な発見はありませんが、改めてそうだなと思いました。
なのですが、河合さんは書き手向きであって、19000円の受講料を思うと経費対効果はイマイチでした(笑) でも、それは内容が物足りなかったのではなく、多分、話しっぷりですね。スラスラとよどみないのはいいのですが、それで返ってココロに刺さりませんでした。
環境のせいにしない潔さも必要
最後に、ワタシの意見をひとつだけ。
確かに、人間関係的な環境も、空間的な環境も、「環境づくり」はリーダーの重要な仕事のひとつです。「環境」が人のココロを左右するのも本当だと思います。でも、「リーダーありき」「環境ありき」という考え方には疑問があります。自分の人生を他人や環境に委ねすぎてはいけません。
しかし、昨今、そういうことをリーダーがクチにするのは御法度になっていますよね。でも、寄らば大樹、他力本願、自責なくして他責ではどうにもならんでしょ。リーダーはリーダーの仕事として、これらは考えるべきですが、その正論に基づいてだけ部下と接している優等生的リーダーもワタシはどうかと思います。要はバランスということですが。
と、最後には自責論になってしまいましたが、はい、承知しております。環境を作るのはリーダーの仕事、社長の仕事です。そういう視点で、再点検したいと思いました。
今日は、先週1週間の間に見聞きしたことが、ワタシの頭を「環境モード」にしたので、それについて書きます。「環境」といっても、「エコ」についてではありません。
先週は、水曜日にコクヨさんの展示会に招かれ、金曜日には日経BP主催による河合薫さんのセミナーに行ってきました。両者のテーマはまったく違うものでしたが、「環境」という視点で見ると、共通点があって、頭の整理になりました。
空間的環境が人を変える
まず、コクヨさんのフェアのテーマは『ECO+CREATIVE 3.0 〜繋がる・創る・学ぶ場〜』でした。ただ単に「CREATIVE」を謳って、デザインチックなオフィス家具が紹介されているのだろうと思っては、大間違い。コミュニケーションやクリエイティビティを活性化させるオフィスのあり方が提案されていました。中でも、特にいいなと思った考え方は、'HARMONii'と呼ばれるこのスタイルです。
このスタイルは、6人から8人ぐらいのプロジェクトメンバーがスピード感を持って仕事をするのに適していそうです。
写真だけ見ると、サークル型の形状が単に奇をてらっているようにも見えるかもしれません。でも、以前、NHKの「スタンフォード白熱教室」という番組で、環境が人の発想に与える影響についての実験的な授業を紹介していたことをふと思い出しました。テーブルに固定された環境では縄張り意識を生んだり、既存の概念に固執しがちになるのに対し、テーブルのない椅子だけの環境では人は場所に縛られずにコミュニケーションし、柔軟な発想が湧いてくるということがドキュメンタリーで描かれていました。
コクヨでは、フリーアドレスの良い面を残しながらデメリットを克服するようなファニチャーや、コラボに適した空間、さらには人の創造性を活性化させるような空間を研究し提案しているようです。
恵まれない環境だと創造が生まれないということはない。でも、環境に恵まれれば、人はより創造的になれる。環境、おそるべし、ですね。
組織的環境が人を変える
続いて、河合薫さんのセミナーの内容はこちらです。日経ビジネスオンライン『上司と部下の力学』の連載で人気のある河合さんのセミナーテーマは「活気ある会社を作るリーダー術」。これだけ聞くと、ありがちな感じがしますよね。河合さんの主張は、心理学のアプローチでは自分が強くなることを目指すが、健康社会学はそうではないとし、身体が辛くても達成感のある残業もあれば、身も心もすり減ってしまう残業もあるように、置かれた環境で人は変わるので、だからこそ、リーダーは環境をどう作るかが大事であるというものでした。
河合さんがポイントとしていたのは、次の3点です。
有意味感-ひとつひとつの仕事の意味を感じているか?
把握可能感-困難やストレスの状況が把握できているか?
処理可能感-君ならできる!と動機付けしているか?
ストレスをなくそうと考えるのではなく、ストレスに勝る喜びを生み出すことの方が重要という視点は、新鮮な発見はありませんが、改めてそうだなと思いました。
なのですが、河合さんは書き手向きであって、19000円の受講料を思うと経費対効果はイマイチでした(笑) でも、それは内容が物足りなかったのではなく、多分、話しっぷりですね。スラスラとよどみないのはいいのですが、それで返ってココロに刺さりませんでした。
環境のせいにしない潔さも必要
最後に、ワタシの意見をひとつだけ。
確かに、人間関係的な環境も、空間的な環境も、「環境づくり」はリーダーの重要な仕事のひとつです。「環境」が人のココロを左右するのも本当だと思います。でも、「リーダーありき」「環境ありき」という考え方には疑問があります。自分の人生を他人や環境に委ねすぎてはいけません。
しかし、昨今、そういうことをリーダーがクチにするのは御法度になっていますよね。でも、寄らば大樹、他力本願、自責なくして他責ではどうにもならんでしょ。リーダーはリーダーの仕事として、これらは考えるべきですが、その正論に基づいてだけ部下と接している優等生的リーダーもワタシはどうかと思います。要はバランスということですが。
と、最後には自責論になってしまいましたが、はい、承知しております。環境を作るのはリーダーの仕事、社長の仕事です。そういう視点で、再点検したいと思いました。
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