会議におけるグレーゾーンのルール違反
いよいよ今週で11月も最後。そろそろ忘年会シーズン突入です。ワタシもなにかと夜が埋まりがちになってきました。
さて、忘年会とはまったく関係ありませんが、今日は会議のあり方について書きます。会議の場で、誰かが「どう思うか?」と問いかけるシーンはよくあります。そのようなシーンで、やってはいけないことがいくつかあると思うのですが、どこからどう見てもルール違反とは言えないけれど、周りを困らせてしまう振る舞いというものがあります。グレーなだけに、あまり周囲から指摘されません。20代の若いビジネスパーソンにはそれに気づかぬまま30代になってほしくないので、50代の大人からのアドバイスとして特に20代の人に向けて書きます。説教ぽくてすみません。
グレーゾーンのルール違反とは?
会議においてグレーゾーンのルール違反の一つは、黙り込みネガティブな空気を発散するパターンです。即答できないことがあるのは仕方ありません(ただし、自分の考えをまとめるために相手を待たせている時間は意識すべきですが)。でも、表情、しぐさ、目線などによって、滅茶滅茶ネガティブなオーラを出すことは黙ってしまう以上によくないパターンです。ネガティブな意見を言うのはかまいませんが、ネガティブな感情を会議に持ち込むのはNGです。実は当人としては、出されている意見に対してネガティブなのではなく、意見を求められている状況に対して心地悪さを感じているだけなのかもしれませんが、相手はそうは受け止めません。
もう一つのパターンは、「わかりません」以上でも以下でもなく、それで終わる発言です。いや、誤解があるといけないので、敢えてクドクド書くと、「わからない」と言うこと自体はいいのです。むしろ変にわかったフリをするよりも、「わからない」と言う勇気を持つことは大切です。でも、「わかりません」だけで発言が終わってしまうと、周りはどうしてほしいのかがわかりません。「わかりません」と言う人は、「何をどう質問していいのかわからない(でも、わかりたい)」のか、「どちらかといえば否定的に思えるけれど、否定する理由が説明できない」のか、「賛成か反対かを表明する自信がない」のか等を伝えてこそ、「わからない」という発言に意味を持たせることができるのに、「わかりません」で終わってしまうと、周囲はその人のスタンスがわからず、話の持っていきようがありません。コミュニケーションを閉ざす「わからない」は言わないのがルールです。
これら2つのパターンは、参加者の「性格」や「能力」、「経験」や「スキル」に関係しているだけでなく、ファシリテーターの力量にも関係しているので、話はあまり簡単ではありません。しかし、何よりも大きいのはメンタルな部分ではないかとワタシは思っています。その分、特に20代の人たちに対しては周囲が大目に見ているので、本人が自覚していないケースも多いように感じます。
不安は直視するしかありません
想像力を駆使して言えば、これらの背景には大抵の場合、「不安心理」「無自覚」「準備不足」があるのではないかと思います。
自分の発言が相手にどう思われるかが気になって萎縮してしまったり(自分より立場が上の人が相手だと、より一層不安)、うかつな発言をして、自分に何かが降り掛かってきても困ると思って不安になったり。メンタルな面が作用する場合です。
しかも、自覚的ではないので、心がけようがありません。
また、会議のテーマについていけるだけの状況認識や知識がなければ、不安はより一層大きくなり、話の内容を理解するのが精一杯なために(あるいは理解できないために)発言どころではなくなります。スピードについていけないケースです。
不安心理を取り除くことはファシリテーターの役割ですが、それとは無関係に、若い人に知ってほしいことは、会議は参加者全員でつくるものだということです。発言しないことによって、保身ができると思ったら大間違いです。また、発言しない人は自ずと自分のプレゼンスを下げていきます。それは、もったいないことです。自分の不安心理は直視して逃げずに、素直な気持ちで参加することをおすすめします。
まずは会議に参加しているときの自分を振り返り、客観視してみることが出発点です。その上で、不安があり、理解がおぼつかないなら、準備するしかありません。ここで言いたいのは、会議のための準備だけではありません。常に物事に興味を持ち、インプットしていくことが準備なのだと思います。まして、目前に会議があるなら、10分でも20分でも準備をして臨んではいかがでしょうか。反対に、会議の主催者は参加者に準備してもらえるように事前に内容を知らせるという配慮が必要ですね。これは、ワタシ自身も心がけなくてはいけないことです。
かくいうワタシも23歳のときに、無自覚で会議に参加して上司から注意された経験があります。3名での企画会議だったのですが、若輩者の意見など求められないと思い込んで参加したところが、企画案を求められ、結局その会議は延期になりました。恥ずかしい思いをしましたが、その経験をさせてくれた上司には今も感謝しています。
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